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2016年11月

2016年11月27日 (日)

映画「この世界の片隅に」とクラウドファウンディング

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   今年も後一ヶ月ちょっとでお終い!街にはクリスマスの灯りが溢れ、道行く人も心なしかセカセカ・・・そんな中、年がら年中セカセカのけいママは、昨日映画館に駆け込みました。
 Facebookで繋がっている方が「絶対観るべし!」と断言しておられた映画「この世界の片隅に」を、絶対観ておくべし!と直感したためです。
 原作がこうの史代さんによる有名なアニメであることも、すでにテレビドラマ化されていることも知らなかったのですが、アニメをそのままアニメとして映画化。それはきっと簡単なようで、大変なこと。関係者の作品に対する深い情熱と、闘志がなければ成しえなかったことでしょう。ただ映画は淡々と進んで行くんですよね。「昭和20年、広島・呉、わたしはここで生きている」というサブタイトルがすでに多くのことを示唆していると思うんですが。
 主人公すずの愛らしさ、彼女の日常。いつの時代も食卓を囲んで家族が集い、たとえドンと心に重い傷をそれぞれが抱えていたとしても、時は容赦なく過ぎてゆき、そしてその容赦ないことにまた救われる。
 いや、本当に素晴らしい映画でした!きっと観客者全員・・・エンディングに入ってからも、誰一人席を立たなかったばかりか、館内が明るくなった後もじっと座り込んでいる方が何人もいたのですよ。そんな映画って、やっぱり珍しいんじゃないかな?
 と、エンディングと言えば、最後でクラウドファウンディングに参加した方々のお名前がずらずらっと流れて紹介されました。「そうか、クラウドファウンディングか・・・この映画もそうだったんだ」と、これまた初めて知りました。
 Unknown
   実は最近初めて私、映画制作のクラウドファウンディングにちょこっと、ポチッと参加をしたんですよね。その時点ではまだ目標が達成されていなかったんですが、そのうち「やりました!」ってお知らせが来て、ただいまその映画は制作段階に入りました。達成率100パーセントをクリアしたわけです。そのうち映画鑑賞のチケットも送られてくるわけです。そうか・・・クラウドファウンディングとやら、なかなかの仕組みですね。
 主人公すずちゃんが生きた時代、誰がこんな世の中を予測したでしょうか?日々めまぐるしく変化していく世界。一体誰が変化させているんだろ?と不思議に思いながらも、人はそれぞれ懸命に、与えられた、いえ、自分が選んだ場所で幸せになりたいと生きていくんですね。
 そうそう私がクラウドファウンディングに参加した映画、まだ仮ではありますがこんなタイトルです。「ほたるの川のまもりびと」これまた、素晴らしい映画になるはず!なりますよ、きっと。

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2016年11月24日 (木)

ぜんざいの町?丹波市

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 丹波市・青垣の観光案内所でもらったマップやパンフレットを見ていると、すごくインパクトの強いフレーズが目に入ってきた。なんと!なんと!『丹波市をぜんざいの町としました』。 問答無用の断定! 「ぜんざいの町にします」という宣言や、「ぜんざいの町になります」という意思表示が順当な表現でしょう。それが誰が主語かわからないけど、いきなり「ぜんざいの町としました」ですからね。『に』ではなく、『と』。『なります』、ではなく『なりました』。すでに世間の常識、社会的な既成事実と化しております。知らないうちに。

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 丹波市内の飲食店が36店舗参加して、この『ぜんざいフェア』を盛り上げています。なぜ『ぜんざい』なのかと言えば、ここが丹波大納言小豆の発祥の地だから。朝廷や幕府に献上されていた歴史があり、現在は高級和菓子の食材として使われているブランド小豆を、もっと身近に感じてもらえる『ぜんざい』でPRしようというわけ。Photo_6
素朴なぜんざいをはじめ、フレンチ風、中華風、蕎麦屋のぜんざい、カフェのスイーツぜんざいなど、いままで聞いたこともない創作ぜんざいがズラリ。トライしたのが三津屋妹尾の「そばがきぜんざい」。二八の鴨汁そばをいただいたあとのデザートとして。そばの香りに大納言小豆の上品なおいしさが楽しめる逸品でした。

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 青垣町田井縄の三津屋妹尾さんは、築120年余りの茅葺き古民家をリフォームした蕎麦屋さん。漆喰の壁、燻し竹の天井、木枠のガラス戸など、随所に和の美と細やかなこだわりが見える。こちらはもちろん古民家カフェではなく、正統派の手打ちそばやさん。十割と二八そばが味わえる。鯖ずしも程よい塩加減としめ加減が素晴らしい。Photo_5
 こちらは奥丹波そば街道という活動もしているという。すべて手打ちの個性派そば屋さんが揃った丹波地域を盛り上げようと始まったそうだ。「奥丹波でそば屋を開業したい方がいらしたら応援します」とのこと。いかがでしょうか。あれ、「ぜんざい」から「そば」に話が変わってしまった?
 

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2016年11月21日 (月)

信州りんごの家系図

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 信州では「りんご三兄弟」が有名だ。(そうらしい) 私たちが三兄弟を知ったのは、ほんの3~4年前。梓川や安曇野の直売店やスーパーでは、8月の終わりから年明けまで次々といろんな種類のりんごが店頭に並ぶ。そのどれもが神戸で食べるのと比べると格段においしい。その時期あるものを「おいしい!さすが信州!」と食べていただけで、品種名まで覚えていなかった。今回、わかりやすい表を見つけたのでご紹介します。
 いちばん下の段が三兄弟。真ん中の「秋映(あきばえ)」が長男。左の「シナノスイート」が次男。右の黄色い「シナノゴールド」が三男です。それぞれ「つがる」と「千秋」の子、「ふじ」と「つがる」の子、「千秋」と「ゴールデンデリシャス」の子というわけで、どちらがお父さんかお母さんかわからないけど兄弟には違いない。やや複雑な家系ではありますが。

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 この三兄弟で「シナノゴールド」は昨年から神戸のスーパーでも見かけるようになった。品種改良で生み出されたニューフェイスは、最初のうちは収穫量も少ないので産地でしか食べられない。都会の消費地に出回るようになるのはずいぶん後のことなのでしょう。
 りんごの美味しさは甘さだけではないらしい。酸味とのバランスが大切だそうだ。縦軸を『甘い』、横軸を『酸っぱい』としたグラフで、しなの三兄弟が糖度と酸度どちらも程よい位置にあるのがわかるでしょうか。この前「これは甘いよ」と言われて初めて食べた「ぐんま名月」は、昔の印度りんごのようで何か物足りなかった。この一覧表で見ると、酸度が足りないのかもしれません。(信州びいきかな)
 りんごのネーミングにも、つがる、しなの、ぐんま、などと付いて産地間競争の激しさがあらわれています。でも誕生地がどこであっても、これらすべての品種を長野県では生産している。ま、おいしければ広まるということですね。

 

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2016年11月17日 (木)

時間のタイムカプセル

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 金属パイプでできた鳥かごのような、地球儀のような、「六甲枝垂れ」という建造物。中には木造の塔が建っている。その内部は夏涼しく冬暖かい。エアコンなど一切使わず自然の風だけで空調する不思議な空間です。高い吹き抜けからさす光。周囲の板張りの壁。ここに入ってらせん階段を下りていくと、だんだん暗くなり、いつも胎内に戻っていくような感覚になる。

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 ここの天井(?)から吊り下げられたゴージャスなシャンデリア。八木良太の作品「Clock Tower」です。作者は枝垂れの内部を、時計塔の内部に入ったイメージがして、この作品のアイデアを思い付いたという。天からの光を受けキラキラと輝くこの作品。よく見ると何十本もの腕時計でできているのだ。アーティストはこれで何を伝えようとしているのだろうか。

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 時間の感覚は人それぞれに違う。同じ人でも年齢により、季節により、昼か夜かにより、その日の気分により、時の進み方は速かったり遅かったりさまざまだ。時計は時間のスピードに公平性と客観性を与えるための道具だ。特に腕時計はいつも身近にあって、個人的な時間の流れに秩序を与え、リアルな現実につなぎとめる役割がある。ここに吊るされた時計たちは、これを身につけていた何十人もの人々が過ごした時間を封じ込めたタイムカプセル。愛も憎しみも、喜びも悲しみも、みんなここにある。

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016
2016年9月14日(水)~11月23日(水・祝)

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2016年11月14日 (月)

映画版のインフェルノ

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 先月末から公開中の「インフェルノ」。ハーヴァードの宗教象徴学者・ラングドン教授が謎解きで活躍するダン・ブラウン原作(角川書店)の映画化です。今回はダンテの「神曲」が謎解きのキーになる。フィレンツェをメイン舞台にしたお話なので、どんな風に撮られているか、そんな興味もあって観に行きました。
 シリーズ最初の「ダヴィンチ・コード」より、はるかに観光映画になっている。空撮で街の全景を入れたり、ドォーモやヴェッキオ宮、ウフィッティ美術館、ポンテヴェッキオ、ボーボリ庭園など主な名所はちゃんと押さえるサービスぶりだ。

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 そして舞台はヴェネツィア、イスタンブールへと続く。ここでもサンマルコ寺院やアヤソフィア、地下貯水池などをしっかり見せてくれる。「へぇ知らなかった!」と驚く秘密の通路なども、次回これらの街を訪れた時にはぜひ見に行かなくっちゃと思わせるところがうまい。次から次へと謎があらわれ、誰が敵で誰が味方か、めまぐるしい展開でグイグイ引き込まれるノンストップ・エンターテインメント! 映画としてとてもよくできています。文句なしに面白い。さすがロン・ハワード監督です。

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 だけど、原作をこんなに変えていいのか、と疑問に思った人は多いのではないでしょうか。上下2冊の長編を2時間の映画にまとめるのだから、そりゃ大変だ。省略や映画的な演出がないと、映画にはならない。
 人口爆発による人類滅亡を防ぐために全人口の3分の1を減らすウイルスを世界に拡散させる、という天才科学者のたくらみ。それを阻止しようとする主人公。映画ではウイルスの封じ込めに成功し、世界と人類を守った、チャンチャン! めでたし、めでたし。いかにもハリウッドの大作、大ヒットの法則にのっとったストーリーです。でも、原作だと、苦労して謎の核心に迫ったら、すでにウイルスは世界中に拡散されてしまっていた。
 これを映画ならではの構成と考えるか、小説とは別物と感じるか? 難しいところです。

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2016年11月11日 (金)

木を伐ってもらいました

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 家の周りの大きくなりすぎたカラマツや、屋根に向かって曲がってきた白樺を、森林組合で働く友人に伐ってもらう。高さ25m以上ともなると、チェーンソーを持っていても自分では伐れない。家に倒れ掛かってもダメだし、電線や電話線、インターネット用の光回線を切っても困る。他の木の枝に引っかかって地面まで倒れないのが最悪だ。ピタッと思う方向に伐り倒すには、専門の道具と技術と経験が必要です。

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 倒す方向を決めたら、まず4~5mぐらいの高さにワイヤーをかける。木に登るためのハシゴも、なるほど!と思うプロ仕様。そのワイヤーを角度をつけて2本の木にからませ、その先端に専用の引っ張る機械をセットする。そして助手が梃子の原理で倒したい方向にグイグイ引っ張る。しかも倒れる直前に逃げないと、下敷きになって大けがをすることもある。大事な役割だ。

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 もちろん伐り方にも技術がある。前から、斜め上から、後ろから、3段階に分けて伐っていく。これでほぼ倒れる方向は決まる。ただし木が立ち並ぶ林の中。正確に位置を決めるためには、補助のワイヤーが必需品だ。そして自分の重みで倒れる力とワイヤーで引っ張る力で、「あの木とあの木の間に」と言ったとおりに狭いスキマに寸分の狂いなく倒す。大きな木がドーーンと地響きを立てて倒れる。お見事!さすがプロの技。

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    それから枝を落とし、玉に伐り、乾燥させるために積んでいく。(これは薪ストーブの燃料にするためです) 伐ったばかりの生木はとても重い。片づける作業だけでもかなりの重労働だ。でも敷地内の木を間伐して燃やすのはエコにつながるので、がんばって後片付けをする。人出があったので、一部は薪割りまで済ませました。

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 日本の森林は急斜面が多いので、大型の機械や車両が入れない。だから伐採も運び出しも効率化が難しく、日本の林業は外国材に比べて価格競争力が劣ってしまうという。植林したものの間伐の費用も出ないので、ほったらかしにされた森をよく見かける。これではどの木も大きく育たないので、ますます採算が取れない。しかも日当たりが悪く下草も生えない劣悪な環境になるため、多様な動植物も育たなくなる。自然災害にも弱くなる。
 健康な森を守るために何ができるか。もっと真剣に考えたいと思います。

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2016年11月 8日 (火)

奈川はいま黄葉?真っ盛り

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 カラマツ、ブナ、コナラ、クヌギ、カエデ、ホウノキ、トチ、コシアブラ、サワグルミ、カツラ・・・。いま奈川の山や谷は黄金色に染まっています。紅葉ではなくて、黄葉。ときどきナナカマドやイロハモミジやウルシの紅が混じりますが、多くは黄色の濃淡とオレンジ色と茶色。合間に挟まる針葉樹の濃い緑もいいアクセントになって、黄葉を引き立てる。

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 うちの温度計の写真をご覧ください。今朝8時の気温は屋外2℃、室内16℃。外は神戸の真冬並み。室内は夜の間も薪ストーブの火がゆっくりと燃えているので温かい。薪ストーブはは本当にスグレものです。温度計の目盛で見るより、体に感じるぬくもりが柔らかくて快適です。温かさの質が違う。横道にそれてしまいましたが、黄葉が美しいのは、寒くなってから雪が降る前 の一時。

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 葉の茂った夏場とは違って、家の窓から眺める外の景色もパッと明るくなりました。光はずいぶん弱くなっているはずなんだけど、印象としては秋がいちばん明るい季節だ。真っ白く雪が積もった冬はもっと明るさは強烈だけれど、明るさよりもまぶしさを感じてしまう。目を開けていられないほど。だから明るくて過ごしやすい季節は晩秋、いまです。もっともストーブをつけないとツライけれど。

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2016年11月 5日 (土)

六甲山にUFO出現?

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 六甲山のあたりはUFOの出現率が高い!という人がいるそうです。一人ではなく何人も・・・。私は見たことがありません。残念ながら。
 で、アーティスト岡本光博はサービス精神からかユーモア精神からか、六甲山上のカンツリーハウスにUFOを創り出して私たちに見せてくれました。大芝生広場のいちばん上に不時着したのか、これから飛び立とうとしているのか。「w#191UFO-unidentified feed object (未確認供給物体)」という作品です。ちょっとうれしい昔懐かしアダムスキー型だ。以前は空飛ぶ円盤と言っていました。

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 同じく岡本光博の作品が、カンツリーハウス東入り口近くの池にある。「w#190UFO-unidentified falling object (未確認墜落物体)」だ。これは鏡像にはなっているけど、日清食品UFO焼きそばのパロディだ。カップが池に墜落したんですね。たしかに、これもUFOに違いない。うわさや伝説ではなく、なんとか私たちにUFO(とおぼしきもの)を見せてやろうとガンバってくれている。
 UFOや宇宙人が実在するかどうかよりも、マジメにそれを考えることを笑い飛ばしているのでしょう。有るものはあるし、無いものはない。それだけのことだ。アートも面白いと思う人には面白い。それだけのことだ。

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016
2016年9月14日(水)~11月23日(水・祝)

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2016年11月 3日 (木)

美しい!漆の家プロジェクト

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 漆の技術は日本全国にあるらしい。春慶塗や輪島塗など有名どころは数々あれど、香川県の漆芸は知らなかった。そして漆と聞いて、お盆やお椀しか思い浮かばないのは知識がきわめて貧弱だ、ということもよくわかりました。たとえば黒の部屋。まるで鏡のようにまわりを映す黒い漆で塗られた壁に囲まれている。漆黒の宇宙空間いっぱいに星がきらめいているように見えるのは、色漆を何層にも塗り重ねたあとまるく彫り出したもの。「彫漆」と呼ばれる技法だそうだ。

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 瀬戸内海の夕焼けのような白から紅に移り変わる作品。これは白と紅色に漆を塗った木製テープを網代に編んで作られたもの。光の当たりぐあいで微妙に色味が変わり、時間の推移も感じられる美しく華やかな出来上がりです。
 グリーンの床も木目が浮き出て美しい。それまでは黒か朱がほとんどだった漆に白色を作れるようになってから、緑や藤色などいろんな色を出せるようになったそうだ。床に漆なんて使っているうちに剥げてくるのでは?という問いには、「また塗ればいいんです」とのこと。

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 男木島の「漆の家プロジェクト」は日本が世界に誇る漆技法をPRするショールーム。とても美しくて表現の幅が広い漆。小物から家具・調度品や建築の部材にまで、生活のさまざまなシーンに使われている。そしてもっともっと用途を広げる可能性を秘めた素材だ。
 畳の座敷に併設されたカフェのテーブルは、グレーやサーモンピンク、ネイビーやオレンジの箱。これが本当に美しい。木の箱に麻布を貼って漆を塗ったものだそうです。色彩ゆたかな讃岐の漆、その特徴がよく出ている。

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 古民家をフルに使って、壁、床、建具など適材適所に伝統の讃岐漆芸技法を活用している漆の家。おトイレも赤と黒のモダンな造りで、地元の漆工芸家たちが力を入れているのがよく伝わってくる。いろんなところにもっと漆を!という啓蒙活動として成功しているのはもちろんだが、それ以上にアートとして見ごたえがありました。痛んだら上から塗りなおせばいい、というエコロジー性も実に今風じゃないですか。

瀬戸内国際芸術祭2016
秋会期:10月8日(土)~11月6日(日)

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2016年11月 1日 (火)

小学校が大竹ワールドに!

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 女木島にある女木小学校。休校中だそうだが、再開する見込みはあるのだろうか。で、瀬戸内国際芸術祭ではこの場所を使った大竹伸朗の大がかりな展示が行われている。ハッと目が覚めるような蛍光グリーンに塗られた校舎。カラフルなアクリル板の屋根、モザイクタイルを敷き詰めた廊下。典型的な学校建築の姿をとどめつつ、そこかしこに置かれたオブジェやショッキングな色使いで、パワフルなワンダーランドに誘い込む。

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 作品名は「女根/めこん」。このタイトルは男根に対応した言葉としてアーティストが考えたものでしょう。校庭の植え込みの中に建つ巨大な造形物。これを構成する立体や観葉植物、写真や使い捨てられた道具など、個々のディテールがおもしろい。猥雑な歓楽街か、カリブ海沿岸の裏町を好奇心のおもむくままにさまよいながら、ちょっとイケナイものをのぞき、少しだけコワイ目に合うのを楽しむ。そんな感じでしょうか。

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 本来ならば小学校として、少年少女たちが清く正しく学んでいたはずの場所。でも本当はそんなキレイごとだけでは人間は育たない。アーティストが創り出した学校は、社会の荒波に負けない強靭な生命力や、古い慣習や人間関係をぶち壊すエネルギー、そんな生きるための勇気を学ぶ人生の学校。今からでも遅くない。もう一度入学して生命の本質を学び直すのもいいかもしれません。

瀬戸内国際芸術祭2016
秋会期:10月8日(土)~11月6日(日)

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