思い出のタイムカプセル
白壁の土蔵に入ると、暗い室内に一面の光のオブジェが。クリスマスのイルミネーションのようにまばゆくきらめいている。高い天井から吊り下げられた1,000個以上のガラス瓶を使ったインスタレーションは、栗真由美の「記憶のボトル」。瀬戸内国際芸術祭の男木島に展示されている作品です。
瓶の中には男木島の人たちの思い出の品が封入してある。瓶ひとつひとつに小さなLEDランプが灯り、みんなの記憶を美しく輝かす。それは試験の答案用紙だったり、結婚祝いの熨斗袋だったり、ウルトラマンのフィギュアだったり、古い記念写真だったり・・・。見ず知らずの人たちの記憶の断片ながら、つい見入ってしまう。
懐かしく、切なく、忘れてしまっていた自分の人生のワンシーンを思い起こす。いわばタイムカプセルに閉じ込められていた記憶を、静かな眠りから揺り戻して自分の眼前にさらすような作用。とてもよくできたタイムマシーンです。楽しいだけではなく、つらいことも悲しいこともあったに違いないけれど、どの記憶も光り輝いているのがいいじゃないですか。とても好きな作品です。
瀬戸内国際芸術祭2016
秋会期:10月8日(土)~11月6日(日)
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