西宮でボローニャ絵本原画展
西宮の大谷記念美術館で、今年もイタリア・ボローニャ国際絵本原画展が開かれている。これは世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」で行われる絵本原画のコンクールで入選した作品を、日本で展示する展覧会です。
このコンクールは5点1組にしたイラストを用意すればだれでも応募できる公募展で、すでに絵本として発表された作品も未発表のものも平等に審査される。未発表でもOKということは、商業的に成り立つのか?という視点を抜きにして、アーティストが実験的な表現に取り組めるから、刺激的なおもしろい作品が多い。
今年は世界61ヵ国から3,191点の応募があり、日本からの10人(組)を含む18ヵ国77人(組)が入選したそうだ。そのすべてを展示するのが、この展覧会。1967年に始まったボローニャの公募展は今年で開催50回目にあたる。日本では1978年の12回目からここ大谷美術館で始まり、今では東京や三重、石川、鹿児島でも巡回展示されている。文化も違う、美意識も違う、そんな世界のイラストの今が多くの人々の目に触れるのはとても素晴らしいことだと思う。
ボローニャの絵本見本市には世界中の出版関係者やバイヤー、それにアーティストが集まる。だから、この公募展で作品が目にとまって出版に至ったり、他の言語で出版されたりする例は数多い。出版社はビジネスのチャンスだし、アーティストは世界に打って出る貴重な場だ。
私たちはイタリアまで行かなくても、こんな熱気にあふれた表現をイッキに見られる機会を得られて幸運です。そして毎年恒例なので、表現手法やテーマのとらえ方などの変遷を感じるのも楽しいですよ。
2016イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
西宮市大谷記念美術館
2016年8月20日(土)~9月25日(日)
10:00~17:00 水曜休館
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