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2016年9月21日 (水)

スラム街のオーケストラ

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 目に見えないけれど、時間はかかるけれど、希望の発見へと道はつながる。抜け出すことは不可能だと思われる悲惨な状況を打破する可能性を示した、実話に基づいたブラジル映画『ストリート・オーケストラ』。原題はヴァイオリン教師。音楽の力がスラム街の子供たちを徐々に変えていく様子を描いて、観るものに感動を与えてくれる。
 いまブラジルだけではなく中東やアフリカなど世界中で貧困と暴力の再生産が起こっている。負の連鎖を断ち切ることはできないのだろうか。先進国のヨーロッパや米国でポピュリストが選挙で勢力を増しているのも気にかかる。根っこは同じところにある。みんな自分のこと、現在のことしか考えられなくなっていて、犠牲になるのはつねに子供たちだ。子供はサンパウロのスラムやパレスチナに生まれたくて生まれたのではない。麻薬の売人の子として育ちたいわけではない。それは選択できない現実なのだ。

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 力を抑え込むのに力をもってする。これがリアルな政治だと思うけれど、事態は深く沈潜するだけで解決策にはなっていない。ISを空爆して皆殺しにしてもイスラム過激派はなくならない。そんなことは世界のリーダーもよくわかっているはずだ。でもほかの解決策を持たないから武力を使う。アイデアがない自分の無能を隠すために攻撃する。「ホント、人間ってやつは・・・」と嘆いていても世界は変わらない。
 この映画は、クラシック音楽という一見無力なものが銃に勝ることがある、と教えてくれる。子供たちを動かし、人々の眼を開かせ、社会を少し変えていく。こんな小さなことから気持ちにうるおいが生まれ、すさんだ固い心が溶けていくのだなぁと教えてくれる。音楽、アート、スポーツ・・・教育の力。世界をよりよく変えるには、これしかないと思う。ヘナチョコの理想主義と笑われようと、こんな小さな芽をみんなでサポートし育てていかなければならないと思いました。

 

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