レオナール・フジタ展へ
フランスに帰化。カトリック入信。北斎以降では日本人で最高の画家のひとり・藤田嗣治は日本ではあまり評価されなかった(誹謗、中傷された)ため、母国に失望したのだろうか。
1886年に東京で生まれ、1968年にフランスのランスで81歳で亡くなる生涯のほぼ半分を異国で暮らした藤田。東洋と西洋の架け橋、とも称せられるが、むしろ東西のはざまで引き裂かれ文化的葛藤に苦しめられた人生ではなかったか。彼が自画像をたくさん描いているのは、つねに自己のアイデンティティを探し続けたからだと思います。
1920年代、エコールドパリの寵児として大成功を収める。戦時中に日本回帰し、戦争画に情熱を燃やす。そして戦後その責任を追求され、日本から逃げるようにしてアメリカそしてフランスへ戻る。このようにさまざまなドラマチックな経験をかさねた時々の自画像は、なかなかおもしろいものがあります。画家にとって自画像は、その時その時の心情の記録。自画像の多さで有名なレンブラントも、まさにこの類です。
自画像をはじめ、裸婦、肖像、風景、静物など・・・国内、海外の美術館や個人から集めた約130点の作品を展示したこの展覧会。いままで断片的にしか知らなかった藤田嗣治⇒レオナール・フジタの全貌を理解する最高のチャンスです。
生誕130年記念
藤田嗣治展
2016年7月16日(土)~9月22日(木・祝)
兵庫県立美術館
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