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2016年9月

2016年9月29日 (木)

栗のお菓子はコレでしょ!

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 まずは長野県小布施にある「小布施堂」の『モンブラン朱雀』。獲れたての新栗を蒸して皮を除く。それを裏ごししてグニュっと絞り出すと、そばのような細麺状のお菓子になる。これを冷たいクリームの上にふんわりと載せた洋菓子です。砂糖も何も加えず、栗そのもののおいしさが味わえる究極の美味。この時期一ヶ月ほどしかいただけない、鮮度が命の芸術品だ。Photo_3
 しかもその日に獲れた栗がなくなると販売終了。予約不可、持ち帰りも不可。だから朝8時30分から配布が始まる券を買うために、並ぶしかない。めでたく券を確保すると指定された時間にカフェ「えんとつ」でいただく。まぁ大層なものだけど、これを目指して全国から人が集まるからすごいものだ。じつは私たちは和風の『朱雀』を目指して早朝からクルマを飛ばして駆け付けたけれど、すでに長い長い行列。整理係の人に「もう売り切れですから『モンブラン朱雀』のほうにお並びください」と言われ、少し離れたカフェの前まで走っていって手に入れたプラチナ券だったのです。

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 もうひとつの絶品は岐阜県中津川にある「すや」の『栗白玉』。「すや」は栗きんとんで有名な老舗です。国道19号線沿いに広い駐車場と甘味処を併設した西木店を出している。栗という字は「西」の「木」と書くことから西方浄土をあらわし、行基はこの栗の木を杖にして全国を回ったと、いう伝説から名付けたそうだ。Photo_4
 で、『栗白玉』は栗のみで作った冷たいおしるこに白玉を入れた上品な甘味です。これを緑に囲まれた気持ちのいい甘味処『榧(かや)』でいただく。そうそう、こちらも9月の一ヶ月間のみの限定品だそうだ。いやぁ限定品に弱いからね。この店も行列こそできていなかったものの、混みあっておりました。駐車場のクルマのナンバーを見ると、かなり遠方からもお客さんが来るようだ。
 栗のシーズンに極め付けを食する幸せ。ああ生きてて良かったと実感する瞬間です。(オーバーだねぇ)
 

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2016年9月26日 (月)

神戸のパルシネマ

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 神戸の映画館「パルシネマ」に出かける日は、朝からちょっと気合が入ります。何せ二本立てですからねえ。結構長丁場。あれこれ家事をこなして、手短に朝食を済ませて家を出る。駅でランチ用のパンや何かを買って・・・バッグの中にはすでに水筒や、クッキーや、キャンディーや・・・まるで遠足ではないか!
 電車を2回乗り継いで到着の小さな映画館。自販機で切符を購入。なんとシニアは千円ポッキリ。中に入ると映画館にありがちのポップコーンや淹れたてコーヒーの匂いはしませんが、様々な映画情報のチラシと「ようこそ、いらっしゃいませ」と、礼儀正しいスタッフのお迎えが待っている。「この青年はきっと、寝ても覚めても映画のことを考えてるんやろな。映画オタクが高じて仕事になっちゃった?」てなことを考えながら、やっとシートに腰掛ける。見渡すとチョーこじんまりとした館内に観客がちらほら。この映画館の特徴は、一人で来るシニア世代が多いこと。今日の私みたいに。
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   このブログを読んでくれているあなたは映画を観に行く時は誰かと一緒派、それとも一人派? 最近のけいママは断然一人派です! 自分がいいと思って誘って観に行った映画が期待外れだった時の気まずさと言うか、申し訳なさというか(自分のせいでもないと思うのだけれど)。この歳になると、もうそういう面倒な経験をしたくないと思うんですよね。だから一人、今日も一人。
 そしてそんな客の気持ちを分かってくれているのか、このパルシネマでは赤いシートと白いシートが用意されています。男性は白、女性は赤。つまり知らない異性が横に座って・・・みたいな煩わしさをやんわりと察してくれているのです。もちろん厳密ではありませんし、男女のカップルでお越しになる方はどちらにでも、と言うことですが。
 赤いシートに辿り着いて、お目当ての映画が始まるまでのワクワク! 一本見終わって、客席でランチを食べるのがまた楽しい! 「うん?隣のご婦人はお手製弁当? どこからかお寿司のいい匂いが〜!」。インターバルでは「出迎え青年」が登場して、今後の上映予定の映画解説をしてくれます。これがまた楽しい!

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 いつも感心させられるのは、パルシネマ独自の二本立てセレクトのマッチング。すでによその映画館で上映されたものだからこそ、こんな事が可能なんでしょうが、よくもまあこの二本を! この日は「バベットの晩餐会」と「千年医師物語」。かたや料理人、かたや医師。自分の仕事に情熱を燃やし、誇り高く人生を歩む主人公たちに拍手! 二本立てだと、お目当てでなかった方の映画が意外と良かった、なんて事がよくあるのですが、今日は二本とも大満足! また来ようっと。

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2016年9月23日 (金)

高谷敏正「奥の細道」ワールド

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 この時期、毎年楽しみにしている展覧会が高谷敏正さんの陶展。今年もGALLERY北野坂で開催されています。なるほど、建築家が作る陶の作品って一般の陶芸家とは一味も二味も違うんだ!オリジナリティあふれるアートになるんだ!といつも感心させられる。そう思いながら、いただいた名刺をよく見ると肩書には『陶芸アート』と書いてある。「建築家が作る」なんていう紹介の仕方は今回でもう最後にしなくちゃいけない。しっかりと独自のスタイルを確立し、独創的な陶芸作品を作る陶芸アーティストなんだから。

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 さて今回の展覧会のテーマは松尾芭蕉の「奥の細道」。江戸から奥羽、北陸と芭蕉がたどったルートになぞらえて並べられた49作品。それぞれの作品には「奥の細道」の一節が彫り込まれている。深川を出発、「行く春や 鳥啼き魚の目は泪」と詠み、美濃の大垣で「蛤の ふたみにわかれ 行秋ぞ」と終わる約150日間の旅。芭蕉の言葉や土地土地の歴史や自然の情景からインスピレーションを得て生み出されたこれらの作品は、単独で見ても美しい造形の花器である。とは言え、やはりすべてそろってこそ面白さは数倍になる。スケールの大きいその構想力。完成に至るまでの労力と精神の持続力。頭の下がる思いです。

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 49作が描く地図の中に置かれた「風に誘はれて」など、大きな3点のテーマ作品。これはまた具体的なイメージをカタチにしたというより、芭蕉の思想哲学に共鳴して生まれた作品だと思う。いくつかの句を壁掛けオブジェにした作品などと共に、「奥の細道」ワールドが21世紀の感覚で私たちの前に現出している。
 あるテーマのもとにまとまった世界観を提示する、こんな素晴らしい展覧会を観ると自分でも何か作りたくなる。表現したくなる。いい刺激をいただきました。

高谷敏正 陶展
2016年9月20日(火)~9月25日(日)
GALLERY北野坂

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2016年9月21日 (水)

スラム街のオーケストラ

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 目に見えないけれど、時間はかかるけれど、希望の発見へと道はつながる。抜け出すことは不可能だと思われる悲惨な状況を打破する可能性を示した、実話に基づいたブラジル映画『ストリート・オーケストラ』。原題はヴァイオリン教師。音楽の力がスラム街の子供たちを徐々に変えていく様子を描いて、観るものに感動を与えてくれる。
 いまブラジルだけではなく中東やアフリカなど世界中で貧困と暴力の再生産が起こっている。負の連鎖を断ち切ることはできないのだろうか。先進国のヨーロッパや米国でポピュリストが選挙で勢力を増しているのも気にかかる。根っこは同じところにある。みんな自分のこと、現在のことしか考えられなくなっていて、犠牲になるのはつねに子供たちだ。子供はサンパウロのスラムやパレスチナに生まれたくて生まれたのではない。麻薬の売人の子として育ちたいわけではない。それは選択できない現実なのだ。

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 力を抑え込むのに力をもってする。これがリアルな政治だと思うけれど、事態は深く沈潜するだけで解決策にはなっていない。ISを空爆して皆殺しにしてもイスラム過激派はなくならない。そんなことは世界のリーダーもよくわかっているはずだ。でもほかの解決策を持たないから武力を使う。アイデアがない自分の無能を隠すために攻撃する。「ホント、人間ってやつは・・・」と嘆いていても世界は変わらない。
 この映画は、クラシック音楽という一見無力なものが銃に勝ることがある、と教えてくれる。子供たちを動かし、人々の眼を開かせ、社会を少し変えていく。こんな小さなことから気持ちにうるおいが生まれ、すさんだ固い心が溶けていくのだなぁと教えてくれる。音楽、アート、スポーツ・・・教育の力。世界をよりよく変えるには、これしかないと思う。ヘナチョコの理想主義と笑われようと、こんな小さな芽をみんなでサポートし育てていかなければならないと思いました。

 

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2016年9月18日 (日)

,森山大道、神戸を撮る

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 9月25日(日)まで、兵庫県立美術館のギャラリー棟3階で開催されている森山大道の写真展。サブタイトルが「仮想都市~増殖する断片」で、仮想都市にシャングリラとルビがふってある。英文のタイトルは、DAIDO MORIYAMA Photo Exhibition "Shngri-La"です。シャングリラは英国の作家の小説に登場する理想郷の名前で、ヒマラヤの奥にあるという想定だ。この展覧会のタイトルは英文のShangri-Laが先に決まって、後から「仮想都市」という日本語を当てたのだろう。(ま、そんなことはどうでもよろしい)
 森山が50年以上にわたって表現してきた作品群を集大成してみようというとき、その独自の世界をシャングリア(仮想都市)の構築になぞらえたのだ。

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 この展覧会は写真作品約120点、シルクスクリーン作品約30点、それにカルチェ財団現代美術館で展示した映像作品で構成されている。森山は「アレ・ブレ・ボケ」という技術論からの形容で語られることが多いが、被写体の選び方そのものが森山大道なのだ。その方向性は代表作の『三沢の犬』から変わっていない。首尾一貫している。こちらを振り向いて不気味な目つきでにらんでいる犬。犬というより邪悪な一匹狼。あの有名な作品で、今回も展示してある。

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 ピントが合っている、トーンが美しいといった従来の写真の常識にサヨナラしただけではない。整理整頓より雑然、バランスより破たん、効率より多様な異端、清潔より猥雑,日向より日陰・・・近代社会を進歩させてきた価値観の数々をも覆した先に、彼なりのシャングリラはあるのだろうか。
 今回の展覧会のために森山は神戸の街を撮り下ろしている。東門街やモトコー、南京町やはしけの桟橋。ガード下や路地の奥。これらの断片も当然シャングリアに連なっている。そしてこれらはリアルな現代を生きている神戸なのだ。

森山大道写真展
仮想都市~増殖する断片
2016年8月27日(土)~9月25日(日)
兵庫県立美術館 ギャラリー棟3F

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2016年9月15日 (木)

藤田嗣治を知る、楽しむ

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 藤田の絵を語るとき、まず最初に出てくるのが「乳白色の肌」と呼ばれる彼だけの独自の色。この高貴でなまめかしい色合いと、面相筆で描いた優美な線で一世を風靡した。パリへ渡ったころはキュビズム風の作品にもトライしているが、自分のアイデンティティを追求しそこから生みだした藤田スタイルを確立していく。
 古代ギリシャ・ローマを思わせる端正な美しさ、線と陰影による立体感。奇抜さを抑えた内省的な表現ながら、人物の個性と肉体のボリュームを見事に表現している。西洋の伝統と日本の美意識、そして日本画の技法もうまく取り入れたスタイルは、自分自身を深く掘り下げることによって完成したのでしょう。

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 肖像画、裸婦像などの人物を描いた作品が代表的なものだが、風景画や静物画にも見るべきものは多い。ここでご紹介する「バラ」などは、後のロバート・メイプルソープの先駆けじゃないですか。耽美的な感性がよく表れている。
 そんな美の神に魂を捧げたような藤田が戦争画にのめりこんだのはなぜだろう。ひとつは長い間日本を離れていたゆえの愛国心。他の作家以上に熱意を注がないことには愛国心を認めてもらえなかったからだろうか。古典的な絵のテーマとして興味を持ち、歴史画という今までかかわらなかったジャンルにトライしたのだろうか。いずれにしても熱狂の渦に吞み込まれていった彼は、戦後に強い批判を浴び日本を捨てることになる。
 生誕130年記念「東と西を結ぶ絵画」というサブタイトルの展覧会。今までの断片的な藤田嗣治のイメージから全体像の理解へ、有意義な展覧会でした。

生誕130年記念
藤田嗣治展
2016年7月16日(土)~9月22日(木・祝)
兵庫県立美術館

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2016年9月12日 (月)

レオナール・フジタ展へ

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 フランスに帰化。カトリック入信。北斎以降では日本人で最高の画家のひとり・藤田嗣治は日本ではあまり評価されなかった(誹謗、中傷された)ため、母国に失望したのだろうか。
  1886年に東京で生まれ、1968年にフランスのランスで81歳で亡くなる生涯のほぼ半分を異国で暮らした藤田。東洋と西洋の架け橋、とも称せられるが、むしろ東西のはざまで引き裂かれ文化的葛藤に苦しめられた人生ではなかったか。彼が自画像をたくさん描いているのは、つねに自己のアイデンティティを探し続けたからだと思います。

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 1920年代、エコールドパリの寵児として大成功を収める。戦時中に日本回帰し、戦争画に情熱を燃やす。そして戦後その責任を追求され、日本から逃げるようにしてアメリカそしてフランスへ戻る。このようにさまざまなドラマチックな経験をかさねた時々の自画像は、なかなかおもしろいものがあります。画家にとって自画像は、その時その時の心情の記録。自画像の多さで有名なレンブラントも、まさにこの類です。
 自画像をはじめ、裸婦、肖像、風景、静物など・・・国内、海外の美術館や個人から集めた約130点の作品を展示したこの展覧会。いままで断片的にしか知らなかった藤田嗣治⇒レオナール・フジタの全貌を理解する最高のチャンスです。

生誕130年記念
藤田嗣治展
2016年7月16日(土)~9月22日(木・祝)
兵庫県立美術館

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2016年9月 9日 (金)

ボローニャ絵本展の楽しみ方

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 ボローニャ国際絵本原画展では、さまざまな技法が見られておもしろい。水彩、アクリル、鉛筆、色鉛筆、パステル、水墨、ボールペンなどはあたりまえ。木版画、エッチング、アクアティント、シルクスクリーン、モノタイプなどの版画。切り絵、ちぎり絵、コラージュ、デジタルアート、そして刺繍で描くなんて作品まである。しかも単独の技法だけではなく、いくつかの合わせ技で表現するなど、どんどん進化しているので毎年見るのが楽しみだ。

Photo_4  アーティストは自分の世界観やテーマを表現する最適の技術を追求している。ただ技術が新しければおもしろいわけではなく、テーマにぴったりな表現を探すのだ。昔ながらの墨と筆がとても新鮮に見えたりもする。それぞれの作家の文化的背景から生まれる感性。歴史に培われたテーマのとらえ方。まさに世界の広さと多様性を実感できる場だ。
 また原画展なので筆づかいや材質まで細かいディテールがわかるのがいい。チラシに使われていた刺繍の作品など、感動ものだ。最近増えてきたデジタル技術を使った作品の、素材となるスケッチ類を展示しているのも興味深い。

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 また今年は「ボローニャ展50年の歩み」という特別展示も開催されている。1967年のスタート以来、多くのイラストレーターを発見し育ててきた歴史を年譜と資料、原画で振り返るこの企画。日本や世界の、いかに多くの作家たちがここから巣立っていったか、ボローニャ絵本原画コンクールの功績を改めて知るのにもちょうどいい機会。絵本は子供のもの、という固定観念を忘れて本気で楽しめるこの展覧会。時間があれば、ぜひ足をお運びください。

2016イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
西宮市大谷記念美術館
2016年8月20日(土)~9月25日(日)
10:00~17:00 水曜休館

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2016年9月 6日 (火)

乗鞍高原でバンフ映画祭

Banff
 世界最高のアウトドア映画祭、バンフ・マウンテン・フィルムフェスティバル。今年はいつもの大阪ではなく、9月3日(土)に乗鞍高原で観ました。いがやレクレーションセンターに設置された屋外の特設会場。台風の影響なのか、天気予報では夜は小雨が降るとのことでしたが、さいわいお天気がもって何よりでした。
 毎年バンフ映画祭の日本巡回上映会のスタートが乗鞍高原です。去年は観るために奈川まで来ていたのですが台風直撃。土砂降りの雨で乗鞍まで行くのは断念。残念! で、今年こそはとやって来たかいがありました。

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 開演2時間前には到着。会場の芝生広場に貸してもらったクッションを置いて場所を確保し、テントで出店しているアウトドアメーカーやカフェを冷やかしながら楽しく時間を過ごす。
 薄明るいうちはまばらだったお客さんが、いつのまにかたくさん入っている。主催者あいさつの後、上映が始まる。世界的なスキーヤーによる飛騨でのバックカントリースキー、マウンテンバイク、北極海でのサーフィン、クライミング、トレラン、ヨセミテ黄金時代の歴史など計8本の秀作のパワーに圧倒される。人間が限界に挑戦する姿に感動し、映像美と音楽のすばらしさに酔いしれる。

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 じつはメインの映画祭の前に、乗鞍高原出身というシンガーソングライターの高橋あず美さんのライブがあったのです。1時間のミニライブでしたが、これまたすばらしかった。照明に引き寄せられてカブトムシやカナブンが乱入、まさに野外フェスのノリ! 大阪など他の会場にはない特別サービスです。ちなみに今後の上映スケジュールは東京:10月7日(金)、8日(土) ゲートシティ大崎、大阪:10月29日(土)、30(土) 阪急うめだホールなど、全国11ヵ所を巡る。自然環境や山岳文化、アウトドアスポーツに関心がある方はぜひご覧ください。

バンフ・マウンテン・フィルムフェスティバル
WORLD TOUR 2016

 

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2016年9月 3日 (土)

西宮でボローニャ絵本原画展

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 西宮の大谷記念美術館で、今年もイタリア・ボローニャ国際絵本原画展が開かれている。これは世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」で行われる絵本原画のコンクールで入選した作品を、日本で展示する展覧会です。
 このコンクールは5点1組にしたイラストを用意すればだれでも応募できる公募展で、すでに絵本として発表された作品も未発表のものも平等に審査される。未発表でもOKということは、商業的に成り立つのか?という視点を抜きにして、アーティストが実験的な表現に取り組めるから、刺激的なおもしろい作品が多い。

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    今年は世界61ヵ国から3,191点の応募があり、日本からの10人(組)を含む18ヵ国77人(組)が入選したそうだ。そのすべてを展示するのが、この展覧会。1967年に始まったボローニャの公募展は今年で開催50回目にあたる。日本では1978年の12回目からここ大谷美術館で始まり、今では東京や三重、石川、鹿児島でも巡回展示されている。文化も違う、美意識も違う、そんな世界のイラストの今が多くの人々の目に触れるのはとても素晴らしいことだと思う。

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 ボローニャの絵本見本市には世界中の出版関係者やバイヤー、それにアーティストが集まる。だから、この公募展で作品が目にとまって出版に至ったり、他の言語で出版されたりする例は数多い。出版社はビジネスのチャンスだし、アーティストは世界に打って出る貴重な場だ。
 私たちはイタリアまで行かなくても、こんな熱気にあふれた表現をイッキに見られる機会を得られて幸運です。そして毎年恒例なので、表現手法やテーマのとらえ方などの変遷を感じるのも楽しいですよ。

2016イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

西宮市大谷記念美術館
2016年8月20日(土)~9月25日(日)
10:00~17:00 水曜休館

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