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2016年7月19日 (火)

ダリは天才?偏執狂?

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 自らの手法を「偏執狂的批判的方法」と称していたというダリ。写実的な描き方でさまざまなイメージを多重に埋め込み、現実にはあり得ない不可思議な世界を構築しました。作品名も「ラファエロの聖母の最高速度」や「素早く動いている静物」、「3つのパイ中間子に囲まれた聖人」、「位相幾何学的なよじれによって女性像がチェロになる」などなど、絵だけではなく言葉でも私たちの理性を揺さぶり困惑させようとしているのがよくわかる。いや、決して困らせようとしているわけではないと思いますが。きっと知的なゲームを仕掛けているのだ。

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 ダリの好奇心の強さは計り知れない。最先端の物理学や数学までも興味の対象とし、自分の糧として表現に生かしている。しかも作品は絵画だけにとどまらず、彫刻、オブジェ、映画、舞台美術、宝飾デザイン、文筆と、何にでも手を染めた。スキャンダラスな話題を振りまき、パフォーマンスを繰り広げたダリ。まさに誇大妄想、自己顕示欲の権化でした。20世紀最大の奇才と呼ばれることはあっても、ピカソのように天才と呼ばれることはあまりない。でもそれこそが彼の人気の秘密ではないでしょうか。何かを成し遂げようとしてあらゆる努力をする。そしてその成果を過剰に誇示する。向かうところ敵なしのような、じつは弱さを隠す強がりのような、そんな存在そのものが人間らしい魅力と感じませんか?

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ダリ展
2016年7月1日(金)~9月4日(日)
京都市美術館

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