このダリ展、中身が濃いです
京都市美術館で開催されているダリ展。予想以上に中身が充実していて、よかったです。フィゲラスのダリ劇場美術館を運営するガラ=サルバドール・ダリ財団とマドリードのソフィア王妃芸術センター、そして米国のセント・ピーターズバーグにあるサルバドール・ダリ美術館の共同プロジェクトだそうだ。おかげで20世紀を代表するアーティストの一人であるダリの作品約200点を観ることができる。
幻想や無意識の不条理をテーマにするシュールレアリスム。理性による認識や世の中の常識を揺るがすことによって、新しいおもしろさや美を発見するムーブメント、と言えるでしょうか? 日本語では超現実主義と呼ばれる。ダリはその代表的なアーティスト、という評価が定着していますが、そんな枠を超越していると思う。ピンとはねた口髭、ギョロリと見開いた眼。一目でダリとわかる存在そのものがアートです。この展覧会のロゴも、彼の髭をモチーフにしている。
今回の展覧会、「奇想全開」をサブタイトルにしているが、まさにけったいなモノやヘンな取り合わせのオンパレードだ。それぞれのイメージのディテールがお互いに影響を与え合って、まったく別の世界を産み出す。あるいは鑑賞者の深い記憶の底から、甘い、苦い、楽しい、哀しい、欲望や本能を引きずり出す。ダリの作品を観ることは、ダリという名のユニークなゲームに参加することではないでしょうか。
ダリ展
2016年7月1日(金)~9月4日(日)
京都市美術館
| 固定リンク
「展覧会情報[2016]」カテゴリの記事
- ポンペイの赤は鮮やかです(2016.12.01)
- 時間のタイムカプセル(2016.11.17)
- 六甲山にUFO出現?(2016.11.05)
- 小学校が大竹ワールドに!(2016.11.01)
- 美しい!漆の家プロジェクト(2016.11.03)
コメント