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2016年7月10日 (日)

サラ・ムーンの現在

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 あれ? もう終わったと思っていた展覧会、まだやっていたんだ。何必館の前を歩いていたら、フランスの写真家サラ・ムーンの展覧会の告知が出ていた。ちょっと得した気分で中に入る。
 40年以上前だろうか、キャシャレルのポスターやテレビCMを見て日本でも多くのカメラマンが、サラ・ムーンの技法やトーンを真似した撮影をしたものだ。独特の柔らかい幻想的な色彩は、マリー・ローランサンを写真で表現したおもむき。カメラとフィルムでこんなことができるなんて夢にも思わななかった時代。売れっ子ファッションモデルから転身した彼女のオシャレなセンスは、いま思い返しても時代をはるかに超えていた。

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 その後は広告からもっと先へ、はるかアートの世界へ。詩的な作風は、揺らぎ、ブレ、輪郭の消失などの技法の進化で、哲学的な深みへと昇っていく。色彩も徐々になくなりモノトーンで表現されるようになる。そんな彼女の集大成のような写真集(日本語版)の出版記念展である今回、約80展の作品が展示されている。
 なかでも映像作品「黒ずきん」がとても面白かった。存在しないかのような儚い少女を巡る怖いお話です。自身の少女時代のようなどこか懐かしい情景の中を独り歩く少女。それを追うクルマに乗った男。恐怖や死のイメージをただよわせるダークなおとぎ話でしょうか。

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 この展覧会を開催している何必館5Fの中庭を撮影した作品もある。それはここで過去にも展覧会をやっているサラ・ムーンが、今回の展覧会の打ち合わせにもやってきた時に撮影したサービスカットなのかもしれません。いくつになってもみずみずしい彼女の感性を、あとしばらくお楽しみいただけます。 ※この展覧会は好評のため、およそ一か月間開催期間を延長したそうです。

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Sarah Moon 12345展
何必館・京都現代美術館
2016年4月21日(木)~7月26日(日)
 

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