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2016年7月 1日 (金)

アテルイは最高のエンタメ!

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 シネマ歌舞伎「アテルイ」がおもしろかった。劇団☆新感線の中島かずき&いのうえひでのりによる作・演出の、新時代の舞台芸術=歌舞伎NEXT。ヤマト朝廷が東北の蝦夷に戦いを仕掛ける歴史に基づいた、超大作・感動スペクタクル巨編です。昨年、新橋演舞場で演じられた舞台を映画化したもの。いま松竹系の映画館で上映されている。 Photo01
 見どころはシェイクスピアのような深い詩的なせりふ回し、染五郎をはじめ勘九郎や七之助、市村萬二郎や澤村宗之助たちのかっこよく決まる所作、ダイナミックな立ち回り。歌舞伎の様式美を見事に生かした芝居です。日本も世界も暗く不穏な方向へ向かっている現代に、爽やかな風を送ってくれます。
Photo02_2  テーマは支配と被支配の関係、戦争に大義はないこと、あるいは神と人間、権力と陰謀、正義を信じる人間の勇気と愛。現代の世界が抱えるさまざまな問題を俎上にあげ、痛快に切って捨てる。われわれ庶民が拍手喝采する要素をちゃんと盛り込んでいる。Photo03
 このようにお上を茶化して笑い飛ばす批判精神も歌舞伎の伝統。近年忘れられつつあった反骨心を取り戻したのは、とてもいいことだと思う。大っぴらにお上にたてつくことはできなかった、そんな庶民がうっぷんを晴らしてスカッとするための芸能だったのだから(江戸時代にはそれに対していろんな禁止令も出たようだ)。もちろん、愛された理由はそれだけではありませんが。
Photo04  教科書で習った坂上田村麻呂の蝦夷征伐(ヤマト側の見方)のお話なのだが、ストーリーはどんでん返しに次ぐどんでん返し。息もつかせぬ展開で、3時間あまりをまったく飽きさせない。ユーモアもたっぷり、サービス精神もたっぷり、アクションもたっぷり。コスチュームも美しく、最高のエンターテインメントでございました。歴史上の事件や人物の見方も、一方だけの視点ではダメなんだなと深く考えさせられました。
 

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