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2016年6月22日 (水)

ボストンの国芳と国貞

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 歌川国芳と歌川国貞。江戸時代末期に活躍した浮世絵師です。世界一のコレクションを所蔵するボストン美術館から170点の作品を持ってきて、『俺たちの国芳 わたしの国貞』展がいま神戸市立博物館で開催されています。そのころは「芸術」という概念はまだないころなので、それぞれ「うけ」を狙った極上のエンターテインメントを創作しようと工夫し努力している。それが素晴らしいアートを生んだんだと思う。

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 奇想天外なアイデア、斬新なデザイン、確かなデッサン力で描く大スペクタクル絵画は、現代ならハリウッドのSF超大作か。歴史劇に幕府を批判する風刺をちりばめた反骨精神も、国芳の心意気をあらわしている。江戸の庶民が喝采を叫んだのもうなづける。
 国貞には歌舞伎役者と美人画シリーズに見るべきものが多い。浮世絵の彫りや摺りの技術も最高潮に達し、極彩色で細密な画風は江戸の人々を魅了したに違いない。

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 この展覧会で特に感じるのは、当時「浮世絵は最強のメディアだった」ということ。新聞もない、テレビもない、雑誌もない、映画もない、ましてネットなど夢にも思いつかない時代。市川團十郎や尾上菊五郎、岩井半四郎や中村歌右衛門・・・役者絵は当たり役を演じるスーパースターやアイドルのまさにブロマイドです。そして美人画の衣装や小道具はファッション雑誌の特集ページ。浮世絵師は最先端の情報を発信していたんだ、と改めて感じました。

ボストン美術館所蔵
俺たちの国芳 わたしの国貞
神戸市立博物館
2016年6月18日(土)~8月28日(日)
 

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