田中一光のポスター展
社会人になって広告の仕事を始めたころ、すでに田中一光さんはグラフィックデザイン界の大スターだった。いま国立国際美術館で開催中の田中一光ポスター展で略歴を読むと、当時まだ40代前半だったのだ。へぇ、すっかり大御所っぽい感じだったので、もっとお歳だと思っていた。ま、こちらも何も知らないはなたれ小僧でしたが。
産経観世能、札幌オリンピック、科学万博つくば'85、モリサワ、イッセイミヤケなど、いろいろ素晴らしい仕事をされているが、西武セゾングループの作品が特に印象深い。クリエイティブディレクターとして多くの才能を起用して、共同作業をしながら自らの幅も広げていった。たしか無印良品の立ち上げでは、ロゴや包装資材のデザインだけにとどまらず、ブランドコンセプトや商品開発まで深くかかわったと思う。
50年にわたる仕事の跡をポスターで振り返る今回の展覧会。おもにデザイナーとしての側面に光を当てられている。もっと広くプロデューサー的な役割にまで展示内容を広げれば、もっと面白いと思うけれど、偉大すぎて収拾がつかなくなるかもしれない。まぁ一言で表すと「昭和の尾形光琳」、と思いますがいかがでしょうか。
グラフィックデザインの華
田中一光ポスター展
2016年4月5日(火)~6月19日(日)
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