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2016年5月16日 (月)

街に根付いた21世紀美術館

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 開館してからもうすぐ12年。金沢21世紀美術館は、すっかり街になじんでいます。暮らしの中に溶け込んでいます。誰でもいつでも気軽に立ち寄ることができ、さまざまな出会いや体験の場となるような美術館。そんな妹島和世さんと西沢立衛さんが目指した『まちに開かれた公園のような美術館』は、10年をかけて市民のみなさんに愛され育てられてきたんだと思う。とても素晴らしい。

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 この美術館は円型のガラス壁で囲まれ、内と外の関係があいまいになっている。そして東西南北に出入り口があり、有料の展覧会スペース以外は自由に通り抜けができる。市民ギャラリーや情報ラウンジ、ミュージアムショップ、カフェなど、パブリックな空間がかなり多い。加賀友禅をモチーフにしたマイケル・リンの壁画作品の前に並べられたロッキングチェアには、仕事中にちょっこし休憩しているサラリーマンや歩き疲れた観光客がリラックスしている。いい風景じゃないですか。

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 ついこの前にフィレンツェのシニョーリア広場で見たヤン・ファーブル(先日のブログでジャン・ファーブルと書きましたが21世紀美術館の資料に発音を合わせます)の作品「雲を測る男」もありました。エルリッヒの「スイミング・プール」やジェームズ・タレル、アニッシュ・カプーアの作品など、世界の現在(いま)を体感できるアートも通りすがりで観ることができる。なんて幸せなんだろう。見方を変えれば、みんなに愛され、なんて幸せな美術館なんだろう、と思います。

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