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2016年4月

2016年4月29日 (金)

ウフィッティの中庭に植え込みが!

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 ウフィッティ美術館もパリのテロ以来、軍隊が出て警備をしている。以前からポリツィアという市警察とカラビニエリという国家警察が、ドゥオーモやシニョーリア広場、駅などを警備してしていたが、自動小銃を構えた兵士が加わって少し物々しくなっている。かといって街を歩く観光客や物売りが硬い表情をしているわけではない。普段と変わりなくリラックスして美しい街を楽しんでいる。

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 ウフィッティで軍車両を止めた先を通行止めにして、何をしているのかと思ったら、さまざまな樹木や草花を持ち込んで簡易版の西洋庭園を造っていた。大きさもいろいろな黒いビニールの鉢植えや天然芝をロールにしたものを運び入れ、クレーン車も使って作業している。なにしろ土がないところに庭を造るのだから、大変でしょう。ガーディナーの腕の見せ所です。

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 石畳の中庭を石造りの建物がコの字型に取り囲んだ冷たい空間。ちょっと緑が入るだけでイメージがガラッと変わる。たぶん期間限定の企画でしょうが、目も癒されてホッとする。ここウフィッティ美術館の宝であるボッティチェッリ作「プリマヴェーラ」に描かれたのと同じ花々も、500年以上の時を隔てて植えられているのでしょう。

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 2日後に見に行くと、通行止めの柵は取り払われていて皆さん自由にグリーンを楽しんでおられる。そして設置された説明ボードを見ると"vannucci piante(という団体?あるいは運動?)"と書いてある。MORE PLANTS MORE LIFE 暮らしにもっと緑を、と活動しているようだ。いつもよりちょっと柔和になったスペースは、しばらく市民や観光客の目をいやしてくれることでしょう。

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2016年4月27日 (水)

シニョーリア広場の金ぴかアート

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 え、こんなモノなかったよなぁ。シニョーリア広場の真ん中に出現した金色に輝く彫刻。ベルギーの現代アーティスト、ジャン・ファーブルの2003年の作品"Searching for Utopia"です。ウミガメに乗ってユートピアを探しに行く男。シリコンブロンズ製ということです。どんな材質か私にはわかりませんが、金属じゃないようです。ダヴィデ像やネプチューン像が並ぶ広場に、この金ぴかは異色です。(私は好きですが) この街でも賛否両論。なにせルネッサンスの名作や古代ローマの名品がいっぱい展示されている屋根のない美術館ですから。

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 もう一つ同じく金ぴかの像がヴェッキオ宮の壁際、ダヴィデの隣に立っている。もちろん同じジャン・ファーブルの1998年の作品から2016年バージョンを作ったそうだ。タイトルは"The man who measures the clouds"、雲を測る男という意味でしょうか、両手にささげた定規を空に向かって差し上げている。古い名作や名建築のおかげで、毎年2000万人もの観光客が訪れるフィレンツェ。そこにあぐらをかいて新しいものに理解がすこし足りない街でもあります。だからこの街の若者は、かなりひっそく感に苦しんでいるのです。

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 この古い街の中心地のここにこそ、ファーブルの作品は展示されるべきだと考えます。また現代アート作品に意味や意図を求めるのは愚の骨頂だとも思う。おもしろければそれでいいし、おもしろくなければ無視すればいい。みんな自分自身で感じればいい。作家が自分の考えを押し付けたり、みんなが共通した感想を持ったりするのは、前時代的な考え方だ。作家は作るところまでが仕事。出来上がったら公共に差し出して勝手な評価にゆだねる、というのが芸術だと思いますが、いかがでしょうか。

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2016年4月25日 (月)

南イタリアの小さな街々

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 とんがり屋根のトゥルッリの街アルベロベッロ、丘の上の白い街オストゥーニ、海辺の街ポリニャーノ・ア・マーレ。それぞれに個性的な街が多い南イタリア。でも意外と日本の方は来られない。やはり交通の便が悪いからでしょうか。ローマから南はおもりを引きずって走る、と言われるぐらい鉄道もスピードが遅くなる。私たちは飛行機でバーリに入ったので速かったですが。

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 アルベロベッロには陽子さんという日本から嫁いで来た方がやっているお店がある。地元のいい調味料や食材、作家さんのクラフト作品など、まわりのみやげ物屋さんとは一味違うお値打ちの品々を置いている。その店の屋上に上がらせてもらったら、まさに絶景! この街は白川郷と姉妹都市なので、片言の日本語をしゃべる人がとても多い。

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 オストゥーノはきれいな街だけど取り立てて見るべきものもなく、早々に次へ向かう。海辺のポリニャーノ・ア・マーレはアドリア海のがけの上に街がある。夕方になると街の住民から観光客までみんなそぞろ歩きに繰り出してくる。遊歩道は大賑わいだ。

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 この街は「ヴォラーレ」で有名な作詞、作曲家で歌手のドメニコ・モドゥーニョの故郷だ。海を見晴らす広場に大きな銅像が立っている。「これは誰だろうね」と言っていると、日本語などぜったいわからないハズのおじさんが親切に説明してくれた。いまいちわからない顔をしていると、♪ヴォラーレ、オーオ カンターレ、オオオーオ♪と歌ってくれたので、わかりました。最近はドメニコ・モドゥーニョを知らなくても、ジプシー・キングの歌で「ヴォラーレ」をご存じでしょ。

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 そして今は宇多田ヒカルさんがこの街の教会で結婚式を挙げた、ということで日本では有名になりました。ここは海の波が削った洞窟がたくさんあり、それらを利用した洞窟レストランも多い。ここまで足を延ばす機会はあまりないけど、またチャンスがあれば波打ち寄せる洞窟レストランで食事を楽しみたいと思いました。

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2016年4月23日 (土)

マテーラの夜は更けて

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 イタリア半島の足首のあたりには、個性的な街がたくさんある。でも交通の便が悪く、今まで足を踏み入れることがなかった。ナポリの次はシチリアで、その途中は空白地帯。で、ちょっと頑張って2泊3日の南イタリア小旅行へ出かけました。
 マテーラはサッシと呼ばれる洞窟住居で有名なところ。その昔海底だったところが隆起してできた土地のため、石灰質の柔らかい岩でできている。その岩を削って穴をあけ、石を積んで住居にしている。だから町中の家々が白っぽいベージュで統一され、とても美しい。

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 夜はその白い壁が電灯に照らされて、うっすらと街が浮かび上がる。幻想的な風景だ。この街は昼間も美しいけれど、泊まって夜景を見ながら散策するのがサイコーだ。迷路のような狭い石畳を上り下りしていると、まるで中世に紛れ込んだよう気分。

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 住居が洞窟なら、泊まったホテルも洞窟、レストランも洞窟。なにせすべてが洞窟の街だ。ホテルの場合、寝室、リビング、バスルーム、そしてクローゼットまで別々の洞窟でできているから、室内で会談やスロープを上がったり下りたり、こんなに疲れるホテルは初めて。でもステキです。カッパドキアとも違う世界に二つとない街でした。

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2016年4月21日 (木)

チンクエテッレの村々

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 ポルトヴェーネレから北西に連なる5つの村がチンクエテッレ。おとぎ話のように美しいイタリアの小さな村のなかでも、ピカイチの存在です。一日目に船でリオマッジョーレとヴェルナッツァをまわり、そこで一泊。翌日に電車でモンテロッソ・デル・マーレとマナローラをまわる。有名な「愛の小道」は途中まで歩くが、がけ崩れによる通行止めのため残念ながら引き返す。がけ崩れって2012年のことですよ、いかにもイタリアらしい。

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 おいしい地元特産のパスタや白ワイン、目の前の海でとれた新鮮な魚介類のフリットやオリーブオイル漬け。ペストと呼ばれるバジリコのソース。肉中心のフィレンツェからやって来ると、ホッとします。
 かわいらしいハンドクラフトのアクセサリーやシャツ。小さな村にふさわしい小さなみやげ物屋さん。リゾート地らしいオシャレなサンダルや水着。田舎だけれどすごくセンスがいい。

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 とてもとても小さな村々。断崖にへばりついたように立つ家々の間をぬうように、狭い階段を上り下りしながら村を巡る。宿泊したホテルのHPに「船着き場に面したレストランでチェックインしたあと、部屋まで階段を100段登る」と書いてありましたが、本当に息を切らせて登る。案内してくれたお姉さんも慣れているはずなのにハァハァしていました。

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 どの村も断崖に沿ってワイン用のブドウ畑が連なっている。この狭い土地を畑にする執念と日々の労力を思うと頭が下がります。日本の棚田もすごいけれど、ここの土地のなさと高低差は群を抜く。貧しさ、生きる厳しさ、生き抜くための勤勉さ。
 今は世界遺産にも指定され、世界中から訪問客が訪れる超有名観光地になって仕事も増え、人々の暮らしもラクになって良かったなと思う。

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2016年4月19日 (火)

ポルトヴェーネレの小さな教会

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 リヴィエラ海岸のポルトヴェーネレとへ。ラ・スペティアからの遊覧船クルーズは、お天気にも恵まれてやはり感動的です。かわいい色の建物がびっしりと並ぶ美しい景観は、船でアプローチするのに限ります。

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 この建物群の裏側がこの村のメインストリート。狭い石畳道の坂を登っていくと、岬の突端に瀟洒な教会が建っている。とても簡素だけれど白と黒の大理石でうっすら化粧されたオシャレな教会です。

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 内部も素晴らしい。豪華絢爛な大聖堂を見てきた眼には、滋養の詰まった小さな宝石です。ガラスもはまっていない窓から入る自然光だけの薄暗い空間に、聖なる空気が満ちている。外の回廊から眺める真っ青なイオニア海。カモメが飛び眼下を遊覧船が行き交う。

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 この街もこの教会もさすがに世界遺産だけあって、どこを切り取ってもため息が出そうな美しさ。ゆっくりと清浄な雰囲気に浸った後は、この教会直下の海に面した絶景レストランで、新鮮な海の幸を楽しみます。すぐに食欲モードに切り替わりました。
 
 

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2016年4月16日 (土)

オルチャ渓谷、ワインと肉

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 緑の丘陵に糸杉の並木。ブドウ畑、牧草地、麦畑、オリーブ畑。このあたりが典型的なトスカーナです。オルチャ渓谷、キアーナ渓谷。丘の上の美しい街、ピエンツァにモンタルチーノ。そしてタルコフスキーの「ノスタルジア」の舞台にもなったバーニョヴィニョーニ。美しい春の風景の中を一日のんびりドライブ。

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 ピエンツァは500年前、ローマ教皇ピオ二世と建築家ベルナルド・ロッセリーノがルネッサンスの理想都市を目指して作った町。10分も歩けば反対側の門に着く、小さいかわいい町です。城砦に囲まれた狭いエリアに、カテドラルや市庁舎などすべてそろっている。路地の角を曲がるたびに、また違う風景に出会えるが、そのどれもがうっとりする美しさです。

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 モンタルチーノは、銘酒ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲みに世界中から世界中から観光客が訪れる丘の上の街。町中エノテカだらけ。いろんな作り手のブルネッロを試飲して気に入ったものを買い込む。日本の三分の一ぐらいで買えるけれど、やはり高価ですね。(すべてフィレンツェのアパートでいただきました。おいしかった) そして世界一おいしいキアーナ牛の産地。おいしい素材を生かしたこの町の郊外にあるレストランが最高でした。
 

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2016年4月11日 (月)

地球を食べるスプーン?

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 ここはアルノ川近くの街角。とあるビルの壁面に赤と白の大きなスプーンがびっしりと張り付いて、壁を這い上る異界の動物のように見える。その横にも木の板切れで作った半球に突き刺さった5m以上もある巨大なスプーン。道路わきに置かれた白いスプーンはベンチ。これらは Spoon - I eat earth というタイトルのインスタレーション。昨年の食をテーマにした2015ミラノ万博をトリビュートしたシモーネ・ダウリアによる作品です。

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 この建物はあのフェラガモが所有するギャラリー ホテル アート。一昨年の秋にも、ここで展示されていたおもしろいインスタレーションを紹介しましたが、古い建物が続く石畳の街角をまがるとパッと目に飛び込んでくる現代アート。そこらじゅうが美術品という趣のフィレンツェの街(でも古めかしい)を爽やかなアートの風が吹き抜ける。ダヴィンチやミケランジェロももし生きていれば、きっと興味津々に楽しむのではないでしょうか。

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2016年4月 9日 (土)

藤のフィレンツェへ

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 桜満開の神戸から、藤が美しいフィレンツェへ。ちょうど着いた日から気温が上がり、まるで初夏の陽気です。
 この時期トスカーナではいろんな花が一斉に花開き、とても華やかになる。なかでも色美しいのが藤の花。こちらでは藤棚にはしないようで、ツル状に枝葉を伸ばす習性そのまに、柱や屋根などそこら中に絡みついている。

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 とくにアルノ川の右岸には見るべき樹が多い。日本では藤は桜より一か月ぐらい遅いと思いますが、イタリアではそれらの花がいっせい咲きます。色カタチとも、目立っているのが藤。とても豪華な感じがします。もともとイタリアにはなかった花なのでしょう、たぶん野生の藤ではなくあでやかな園芸品種が植えられている。歌舞伎のワンシーンを思い出す華やかさです。

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2016年4月 4日 (月)

ご近所でお花見散歩

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 ソメイヨシノはいっせいに咲くので、毎年どこへ花見に行くか迷うものです。で今年はラクをして灘区の家からぶらぶら歩いて桜見物。(じつは数日前に明石公園に行ったのだけど、早すぎました) まずは護国神社に。お店も出ているし、宴会をしている人もいる。近所に住む外人さんもたくさん来ています。きっと日本に来てからお花見の楽しさを覚えたのでしょう。

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 つぎに観音寺の桜のトンネルへ。ここは摩耶ケーブル行きの市バスが通っている狭い道。両側に植えられた桜並木の枝が張り出しその下をクルマで通り抜けられるので人気だ。ほどほどに渋滞するから、クルマに乗ったままでもゆっくり楽しめる。植えられてだいぶん経つのでしょう、ソメイヨシノは寿命が短いので、枯れて植え替られた若い樹も増えてきた。そのぶん華やかさは以前ほどではない気がします。

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 王子動物園の夜桜は、さすがの人出。お花見の時期の4日間、夕方6時からは無料で入れます。もちろん動物たちがいるエリアには入れません。この時間に大群衆がオリの前に来るなんて、動物虐待もいいところ。ライトアップされた通路を、「立ち止まらないでください!」のマイクにせかされながら、ただ通り抜ける。でも薄暮の光と照明のあかりで浮かび上がる夜桜はなかなかいいですよね。独特のなまめかしさがあって。

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 家のそばまで帰ってくると、街灯に照らされてひっそりと白く浮かぶ桜。これもまたいい。日本人は花の中でも特に桜に対して思い入れが深い。人生の節目となる経験を桜とともに記憶することも多い。その想いは人それぞれに違うし、年とともに変化する。今年もいろんな桜に会うことができて幸せでした。

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2016年4月 1日 (金)

岩合光昭、世界ネコ歩き写真展

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 「ネコは人間とともに世界に広まった。だからその土地のネコはその土地の人間に似る」と語る、岩合光昭さんの写真展。そごう神戸店の9階・催し会場は、いまネコ好きの人々の熱気で沸き立っています。古くから人間のそばで暮らしながら、人間になついたそぶりを見せず、誇り高い孤高のポジションを保ち続けるネコ。それゆえに絶対の愛を捧げる人と、忌み嫌う人との溝は深い。

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 私は好きでも嫌いでもなくきわめてニュートラルなスタンスでいるのだが、どうも理解されないようだ。「ネコはお好きですか?」と聞かれることがあって、そうでもないと答えると「じゃあイヌ派ですね」と決めつけられる。早く話題を変えたくて、「いや、カンガルー派です」と相手を煙に巻くようにしている。まぁ謎めいた瞳が魅力的なことは、素直に認めますが。

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 そんな第三の道を行く私から見ても、岩合光昭さんが撮影したネコたちはとてもかわいい。そしてそのしぐさはとても興味深い。パリ、プロヴァンス、ベルギー、ノルウェー、クロアチア、シチリア、エーゲ海の島、ブルガリア、モロッコ、ハワイ、キーウエスト、ウルグアイ、台湾、沖縄・・・世界を舞台に繰り広げられるネコのライフスタイル。イヌ派の方もぜひご覧ください。

写真展
岩合光昭の世界ネコ歩き
3月30日(水)~4月4日(月)
そごう神戸店 本館9階

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