富岡鉄斎の画、書、文
近代文人画の巨匠、富岡鉄斎(1836~1924)の回顧展が兵庫県立美術館で開催されています。名前は知っていましたが、あまり興味もなくここまで来ました。でも地元で大規模な展覧会が開かれるということで、足を運んでみる。
資料によると鉄斎は京都に生まれ、幼いころから国学、儒学、仏教などの学問を広く修め、書画にも親しんだそうだ。終生、学者を以て任じ、文人画家としての理想を追求し続けた。つまり画業に専念するプロの画家ではなく、トータルな文化人としての表現の一手段として描いた。
でもその作品は趣味や片手間でできるようなレベルではない。池大雅や与謝蕪村などとは絵の凄さが違うのだ。代表作でもある富士山を描いた屏風は、右に全景、左は山頂の火口部です。おもしろい発想と迫力ある筆の力。ちょっと荒唐無稽な例えのように思われるかもしれないが、セザンヌが描いた力強い松の連作を思い出した。
いずれにしても鉄斎という人は多彩な才能に恵まれたクリエイターなのでしょう。現代なら天才的なデザイナーや漫画家になっていたかもしれない。そんな気にさせる才人だ。いやいや、アートより宇宙物理学や遺伝子工学に興味を持っているかもしれない。ついそんな想像をしてしまう。
生誕180年記念
富岡鉄斎 近代への架け橋 展
3月12日(土)~5月8日(日)
兵庫県立美術館
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