素晴らしきイタリア喜劇
スカッとして、ホロっとして、温かい気持ちになって。こんな後味のいいコメディは、ほんとうに久しぶりでした。チョー男性社会で奮闘する女性建築家を描いたイタリアのコメディ映画、『これが私の人生設計』。すごいハンサムで逞しくしかも優しい男はゲイ。顔を合わせると「恋人はできたか?」「結婚はまだか?」とうるさい母と伯母。クセの強い人たちに囲まれて、ストレスいっぱいの破滅的な日々を送りながら、くじけず前向きに生きるヒロインに、思わず拍手を送りました。
職場での女性差別、性的マイノリティに対する無理解・・・日本もかなり遅れているが、イタリアもきわめて保守的だ。まぁコメディなのでよけいデフォルメされているのだろうけど、「わかる、わかる!」と思い当たるふしは多々ある。イタリア男が女性に優しいのは、全然別の意味でだ。昔ながらの役割をはたしている限りはいいけれど、いとたびはみ出ると容赦しないぞ!という社会。昔のど田舎ではなく、21世紀の大都会ローマの現実だ。
喜劇だから大笑いのシーが満載だ。でも笑うだけではなく、鋭い問題提起がグサッと突き刺さる。原題は『SCUSATE SE ESISTO! 』。昨年のイタリア映画祭では『生きていてすみません』という直訳のタイトルで上映されたそうだ、ちょっとむずかしいけど。この映画、きっと世界中で受けているでしょうね、特に働く女性には。ポスターは何を伝えようとしているのか、いまいちピンときませんが、コメディの感じは出ています。そして日本や日本人が思わぬところで出てくるのも笑えますよ。
これが私の人生設計
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