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2016年3月13日 (日)

グアテマラ? 火の山のマリア

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 ん、グアテマラ映画? どこか中南米の国だったかな。と地図を見たら、メキシコの南。国民の半数以上が先住民、古代マヤ文明を築いた人々の末裔だそうだ。しかし彼らの多くはスペイン語の読み書きができない。もちろん話す言葉はそれぞれの民族の固有の言語。そんな土地にも近代化、グローバリズムの波は暮らしの中に徐々に入ってくる。昔ながらの習慣や伝統を守り、神へ感謝しながら生きる家族が、差別を受けたり無知ゆえに騙されたりしながらも強く生きる姿を、ドキュメンタリーのような臨場感あふれる映像で描いた傑作映画だ。

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 この『火の山のマリア』は2015年ベルリン国際映画賞で銀熊賞を受賞。自分の幸せを自分で見つけ出そうとする少女と、どこまでもそれを守る母。教育を受けたこともなく経済的にも厳しい境遇の中、懸命に生きる母と娘の物語は、人間の尊厳と生命の力強さを私たちに伝えてくれる。太古の昔からはるかな未来まで、生の絆は続いていくだろうと希望が持てた。それは快適で便利な現代生活よりも、もっともっと根源的な地球の生命としての息吹が聞こえるような、深い感動をおぼえる。
 西洋近代主義と土地固有の文化。キリスト教と土俗信仰。グアテマラの高地、火山のふもとの村を舞台にしながら、21世紀の世界が抱える普遍的なテーマを描いている。いい映画を見たな、と思いました。

火の山のマリア

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