SHUNGAと書く展覧会
日本が世界に誇る美術、文化でありながら、SHUNGAと書かなければいけないのは悲しい。(もちろん小さく春画展と入っています) 春画という文字だけを見て「反社会的で公序良俗を乱す犯罪だ」という決めつけは、明治以降に始まったこと。そして名品の多数が欧米にわたり、彼の地での高評価が逆輸入されて日本人がその価値に気づく、というのもよくあるパターン。ちなみに2013年から14年に大英博物館で開かれた春画展が大好評だったそうだ。
日本では『芸術新潮』などで特集号が出たりはしていたが、本格的な展覧会は今回が初めて。特定の読者だけを対象にしたものから、もっと広く一般の目に触れるものへ。やっと、という感じです。ただし18歳未満は入場できません。
昨年の秋、東京の永青文庫で開催された展覧会が、いま京都の細見美術館で開催中。しかし開催を引き受けてくれる美術館探しには苦労したと聞きます。その苦労の甲斐があって会場は大変にぎわっている。しかも6割以上は女性客。日本人の性に対する意識もずいぶん変わってきたようです。ミュージアムグッズが飛ぶように売れていたのも印象的でした。
展示作品は狩野派や土佐派、円山応挙、喜多川歌麿、葛飾北斎などのそうそうたる顔ぶれの名品、傑作がそろって見ごたえがある。また表現手法も肉筆画の屏風や浮世絵版画、綴じて本に仕上げたものなど多彩。江戸時代のご先祖のおおらかさとユーモアのセンス。あらためて高い文化度を感じました。
SHUNGA 春画展
細見美術館
2016年2月6日(土)~4月10日(日)
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