早春の樹には黄色い花
なぜだろう? 春先に咲く樹の花は黄色が多い、と感じませんか。理由はまだ解明されていないようですが。寒いなか「まんず咲く」からマンサクと名付けられた、という説もあるマンサクをはじめ、ロウバイ、サンシュユ、レンギョウ・・・。受粉の媒介をするアブやハエなどの昆虫じゃないけれど、色彩の少ない山野で黄色い花はよく目立つ。
黄色い花を求めて、まだ冬枯れの神戸市立森林植物園へ行ってきました。ロウバイが花盛りで、あたりに何とも言えない良い香りをただよわせていた。受粉を助けてもらう昆虫を引き寄せるには、色も大切だけれど匂いもきっと大事なのだろう。フェロモンと匂いが関係あるのかどうか知らないけれど。
あ、それからロウバイって蝋梅と書くんですね。最近知りました。老梅という字が勝手に頭の中に巣くっていたため、老人を差別しているようでなんとなく口に出すのをためらっていました。実際この花をよく見ると、半透明でにぶいツヤがあり、花びらの表面にうっすら蝋を引いたように見える。悪く言えば艶消しのプラスチックでできた造花のよう。不思議な質感です。
これは黄色じゃないけど、春は黄色に一足遅れで白い花も多い。おもしろい樹形に白いかわいい花をたくさんつけた灌木を発見。説明プレートによるとミツマタ。和紙の原料になるコウゾ、ミツマタと習ったあのミツマタです。この細い枯れ枝にびっしり花をつけた姿は、かなりのインパクトがある。背丈ほどの、樹としては小さいけれど存在感は大きいものがある。
ぐっと近づいて見ましたが、少し下向きに咲いた花には細かい産毛がある。エーデルワイスみたいに。この小さな花の一つ一つにさらに小さい花がたくさん集まってこの花を構成している。初めて見るので、これが咲いているのかツボミの状態なのかさっぱりわからない。色もまだグリーンから白に変わる途中なのでしょうか。すごく清涼感があって美しい。
まだ葉をつける前で、冬芽がふくらんだのを見に行く時期に見られる花。それぞれに個性的でした。
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