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2016年2月 7日 (日)

この人を見よ、という展覧会

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 ECCE HOMO エッケ・ホモ。ラテン語で「この人を見よ」と言う意味だそうだ。ローマ帝国のユダヤ総督ピラトが、裁きのあと改めてイエスを民衆に引き渡すときに言った言葉、と新約聖書に出てくる。処刑を決めるのはオレじゃないぞ、オマエたちユダヤ人なんだぞ!と、ピラトは責任逃れをするのです。泰西名画のモチーフにもよく使われました。そしてニーチェの思想・哲学がよく反映された自伝的著作の書名でもある。
 さて、国立国際美術館で開催中の『エッケ・ホモ ECCE HOMO 現代の人間像を見よ』という展覧会。どんな意図があるのでしょうか。

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 人間を見る、人間を理解するということは、ルネサンス以降の流儀としては全人格的な人間の尊厳に注視する、そんなアプローチ、表現が続いていた。いわば神に代わる人間を目指す、といったところ。しかし20世紀の世界大戦を経験すると、そんな理想主義的な人間観が崩壊してきた。で、新しい時代の人間像を探るアプローチは、見る側の価値観を廃して冷徹にかつ淡々と見る方法。美と醜、善と悪、老と若、男と女・・・それらは見る側の主観が入って、人間そのものを見ていない。手は手、眼は眼、足は足でしかないのだ。
 オルランが自身の整形外科手術を撮影した14点の組み写真「これが私の身体・・・。これが私のソフトウェア・・・」。ローリー・トビー・エディソンが超肥満体を撮影したシリーズ。人間というよりも、物体や機械の部品のように感じる。このアプローチで人間存在の意味を再構築できるのでしょうか。

エッケ・ホモ ECCE HOMO
現代の人間像を見よ

国立国際美術館
2016年1月16日(土)~3月21日(月・祝)

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