Mr.ボンドはカッコいい
スパイ映画は数々あれど、やはり定番中の定番007はケタはずれに爽快だ。今回の「SPECTRE」が24作目だそうだ。オープニングの音楽が鳴りだした瞬間、意識は40年前に飛んでいる。メキシコシティ、ローマ、ロンドン、アルプスのスキー場、砂漠の真ん中、と飛び回っての活躍。手ごたえのある道具を駆使した古典的とも呼べる戦い方。
ビシッと決めたミスター・ボンドもカッコいいし、カジュアルに着崩したジェームスもほれぼれする。どんどん表現がエスカレートしているアクション映画、逆にリアリティが薄くなっているように感じる。その点、007は生身の肉体とアナログチックな武器で戦うことで、リアリティを高めるのに成功している。超絶の強さだけれど人間。決してスーパーマンではない。
ジェームス・ボンドの生い立ちにかかわるストーリー展開も、ドラマに奥行きを出している。スパイとは。人を殺すとは。うわべからはわからない彼の人間性の魅力がうまく表現できていて、見終わった後の満足度がシリーズの中でもとても高い。サム・スミスが歌う主題歌も感動的だ。娯楽映画の頂点のひとつだろう。
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