大英博物館の100のモノ
人類の歴史、その文化遺産のなかでも第一級のコレクションを有する大英博物館。今回の展覧会は、約700万点におよぶ収蔵品から選ばれた100点を展示する。それらは200万年の歴史の、ほんの断片にすぎない。しかし、ひとつひとつに込められた創造のエネルギーと偉大な情熱に感動を覚える。
大英博物館のお宝のひとつが「ロゼッタストーン」。そのレプリカが展示されていた。古代エジプトの神聖文字(ヒエログリフ)と民衆文字(デモティック)、ギリシャ文字で書かれた石碑の一部。まさに知の歴史の金字塔、言語学発展のシンボルです。19世紀半ばにこれが解読され、古代エジプトの文化や歴史が解明される大きな転機になった。まぁ大げさにほめたわりには地味ですが・・・。
知らなかったモノですごく感銘を受けたのが、「ウルのスタンダード」。4500年ほど前のメソポタミア文明が生んだ謎の箱です。何に使われたのかはわからないけれど、贅沢なモザイクが施された美しい箱。いまも鮮やかな色が残っているのは驚異的だ。ラピスラズリなどの鉱物が使われているそうだ。
200万年前の石器から古代文明の名品、中世や近代、現代の希少品にいたるまで、ガラクタの山からよくぞ宝物を見つけ出したものだ、と感心する。博物館というのは、モノを見る目が問われている。40年前に何を見たかまったく思い出せないけれど、今回は世界第一級の目=大英博物館を感じました。収集する。研究する。展示する。博物館のグローバルスタンダードです。
100のモノが語る世界の歴史
大英博物館展
2015年9月20日(日)~2016年1月11日(月・祝)
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