三角形の謎の物体
池のそばになにやらシャープな塔が建っている。宇宙のかなたからやって来た未来的な物体? いやもしかしたら古代人が信仰のために作った遺跡? 高さ2mあまりの黒光りした三角形の塔。進藤篤さんのSFチックな作品「小さな塔」です。鉄とガラスでできた「小さな」アート作品ですが、存在感はすごく大きい。『2001年 宇宙の旅』のモノリスのように、世界の存在の秘密が隠されているような迫力がある。
ある人は10の眼を持つ知的生命体だと言ったが、たしかに、モノではなく生命かもしれないと思えてくる。
はめ込まれた10枚のレンズ越しに、背景の池や木立が見える。世界を映しだしているのだ。もちろん天地はさかさま。同じ背景を映しているのだけれど、上のほうは空の部分が大きく、下へいくと池の面積が増える。同じ視点から見ると、上は見上げ、下は見下ろすわけだから、理屈で考えるとこういう見え方になるのは当然だ。でも、この10通りの見え方は理屈抜きに美しい。あぁ、これも一種のグラデーションなのだ。窓を区切ってレンズで像を結ぶ、映画の原理と同じだ。そうなんだけれど、あらためてムービーのおもしろさを分解してプレゼンテーションしてもらって、得した気分になりました。
六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2015
2015年9月12日(土)~11月23日(月・祝)
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