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2015年10月 1日 (木)

高谷敏正さんの陶展

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 北野で開催されている高谷敏正さんの陶展。陶器展ではない。土と火で作り出す陶の作品展なのだが、作るものが必ずしも「器」ではないからこんな展覧会名になっている。
 今年は阪神淡路大震災から20年。そしてその後も続いた大きな自然災害や人災。心の底に沈潜していた想いをカタチにしたら、こんなモノになりました、と彼は言います。高い天井から吊り下げられた、たくさんのビルあるいは街並み。地にしっかりと建っているのではなく、ふわふわと宙に漂う建物の亡霊? この展示の核心部分です。あなたはどう感じられるでしょうか。

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 高谷さんは建築家だが趣味の陶芸が高じて、いまや陶芸家が本職のようになっている方だ。だから、伝統的な陶芸とは一線を画すユニークな作品を創造する。陶でできたオブジェ、あるいは陶を素材にした現代アート。陶芸家といってもその視点はやはり建築家ならでは。たとえばNYのワールドトレードセンターを思わせる作品は、地面は割れツインビルは今にも崩れ落ちそう。建築物は人を幸せにするためのもの。しかし時として不幸をもたらす場合がある。それが建築家の責任ではないとしても、きっとつらいことなのでしょう。

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 廃墟や遺跡のような作品が並ぶなかに、ほっとする表現が一点あった。「幼い天使」と題されたこの作品だ。すこし異色な感じもするが、今回の展覧会にはなくてはならない作品だと思う。悲惨な災害と人間の無力に深く打ちのめされたこの20年から、飛び立とう、再スタートしよう、という意欲が現れている。きっと未来への希望なのだ。これから生まれてくる子供たちには、このような悲惨を味あわせたくないという気持ち。またそんな若い生命から、困難を克服する新しい知恵が生まれてくるに違いないという期待。二重の意味で興味深い作品です。会期はあとすこしですが、ぜひご覧いただきたいとてもいい展覧会です。

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高谷敏正 陶展
2015年9月29日(火)~10月4日(日)
GALLERY 北野坂
神戸市中央区山本通1-7-17
Tel. 078-222-5517

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