本田かな、「心の旅」展
本田かなさんの久しぶりの個展「心の旅」が、10月12日(祝)まで三重県名張市のセンサート・ギャラリーで開かれていた。写真を細い短冊状に切って、それをタテ糸ヨコ糸のように編んで作品に仕上げるアーティストです。編むことによって違うネガや部分を合成し、夢と現の境目にある不思議な風景を現出させる。
目の前の光景を見つめながら
心の中をゆらゆら歩く。
頭の中に描いた情景を思い出しながら
ひとり静かに写真を編む。
いつでも どこへでも 出発できる旅。
彼女自身がこう書くように、彼女の作品はありそうでない世界、なつかしいけど非現実的、まさに心の中の情景だ。写真でよくやる切り抜き合成ではなく、編んで合成するというとてつもなく手間のかかる手法だからこそ生まれる、奥行きと独特の質感が本田かなさんだけの世界観を増幅させる。
今回新たに取り組んだセルフポートレートのシリーズもなかなかおもしろい。1つの作品に2つのポーズがごくごく自然に溶け込んでいる。編み込んで合成するという手法が、なんでいままでやらなかったんだろう、と思うほどピッタリなのだ。風景、人物・・・。今後の展開にますます期待が高まる本田かなさんでした。
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