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2015年7月26日 (日)

自然と生きる、呼吸するアート

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 「自然と共生するアート」などというと、すごく陳腐でひと昔前に地方の博覧会や町おこしイベントで飛び回っていた軽薄なプロデューサーのフレーズのようですね。でも新宮晋さんの作品は、本来の意味でこの言葉がぴったりくる。というのは、自然界の風や水がなかったら存在できない芸術だから。地球の営みから生まれるパワーをもらって動く、回る、表情を変える作品。自然の中で呼吸しているアートなのです。

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 新宮さんの作品は大きいけれどかわいい。そしていろんなイメージを呼び起こす。水辺で遊ぶ水鳥、子供を抱き上げて遊ぶ父親、アメリカを指さすコロンブス像・・・。いや、これは私個人のイメージであって、作家はまったく違う意図で創っているのだろう。でも作家は自分の考えを押し付けはしない。見た人ひとりひとりが感じたものこそが大切で、それこそが作品に接する正しい態度だから。

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 ひとつひとつの作品を部分的に見ていくと、思い浮かぶのが、幾何学、流体力学、材料工学、構造計算、そんな理系の言葉。でも全体から受ける印象は、ファンタジー、ヒューマン、ユーモラス、メルヘンなど、優しさにあふれた文系の言葉たち。この二面性、奥行きの深さが新宮芸術の神髄で、感動の源ではないでしょうか。機会がありましたら、ぜひ三田までお出かけください。入場は無料です。

新宮晋 風のミュージアム
兵庫県三田市 県立有馬富士自然公園

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