ヨーロッパ地中海文明博物館
マルセイユは列車で通過したことがあるだけで、街を歩くのは初めてだ。ブイヤベースとジネディーヌ・ジダンしか知らなかったが、一緒に旅行した友人が導いてくれたおかげでとてもステキな体験ができた。マルセイユの新名所・ヨーロッパ地中海文明博物館Musee des Civilisation del'Europe et de la Mediterraneeを見てきました。
略称MuCEM、とてもよくできたネーミングでしょ。中の展示は見なかったけれど、建築が素晴らしい。建築家リュディ・リッチオッティの設計で、サン・ジャン要塞のあたり一帯を再開発したうちの中心施設なのだ。古い石造りと絶妙に調和する現代アートのような建築。まるで黒いレース編みで覆われたような建物が、海に浮かんでいる。世界の街でさまざまな再開発が行われているが、ここはもっとも美しくそして成功している例ではないだろうか。
サン・ジャン要塞から鈍い鉛色のシンプル・モダンな橋を渡り、MuCEMの屋上テラスへ。外壁の延長がテラスのまわりの屋根になっている。これだけで十分日よけの役割を果たし、爽やかな風が吹き抜けて日向よりずっと涼しい。床には影が美しい模様を描いている。このパターン、地中海の波を表しているのでしょうか。雨の多い日本だと屋根や壁が透けているような構造はあり得ないが、ここは乾燥気候の地中海。そんな心配は要らないのだろう。
素材は鉄か鉛か、重い金属でできているのだろうと思っていた。橋の手すり&横壁を叩いたら硬いし。でも後で調べると、超高強度繊維補強コンクリートでできているらしい。名前を聞いてもどんなものなのかよくわからないけれど・・・。構造や素材は何であれ、建築がここまで感動を与えてくれるなんて久しぶりの体験。またゆっくり訪れたい場所ができました。
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