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2015年6月 4日 (木)

卯の花と山法師とカッコウ

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 松尾芭蕉が福島県の白河の関を超えたのは、今ぐらいの季節だったのでしょうか。『奥の細道』にこんな記述があります。ちょっと長いですが引用します。ここでは芭蕉ではなく、弟子の曽良の句が載せられている。

 心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて、旅心定りぬ。いかで都へと便求しも断也。中にも此関は三関の一にして、風騒の人、心をとどむ。秋風を耳に残し、紅葉を俤にして、青葉の梢猶あはれ也。卯の花の白妙に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる、心地ぞする。古人冠を正し、衣装を改し事など、清輔の筆にもとどめ置れしぞ。

  卯の花をかざしに関の晴着かな 曽良

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 冠の代わりに頭にかざした「卯の花」はウツギ。いま六甲山のあちこちで咲いている。そばには「茨」(野バラ)もいっぱい白い花をつけている。どちらも白い小さな花が大量につく。山陰を回り込んでこれらが眼に飛び込んでくると、まさに芭蕉が書いたように、雪が積もっているかのようだ。季節感が一瞬どこかへ飛んで行ってしまって、ハッとする。

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 初夏のこの時期は山では白い花が目立つ。もしかすると活動が盛んになる昆虫の視覚に関係があるのかもしれない。ヤマボウシも澄んだ谷川の水が流れ落ちるような清涼な姿を見せている。こんなことを考えながら緑と白の気持ちいい道を歩いていた時、ふいにカッコウの声を聞きました。ほんと、カッコウ時計そのままの声で。「いま何時?」、「カッコー、カッコー、カッコー」。あ、3時なのね、てな感じ。
 もう60年あまり六甲山を歩いているが、カッコウの声を聞いたのはこれが初めてだ。注意力がないのか、歩く時期がずれていたのか、あるいは自然環境が改善してカッコウが住めるようになったのか。いずれにしてもうれしい驚きです。信州奈川では毎年梅雨の前ごろに声を聞いていますが、耳にする期間は短い。夏鳥として日本にやってきても、すぐにどこかへ行ってしまうのか。野鳥の会の人に一度お話を聞いてみましょう。

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