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2015年3月 7日 (土)

横尾忠則の涅槃

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 お釈迦さまが入滅するときの寝姿、それが涅槃像。横尾忠則さんはその涅槃像と人魚が寝転んでいる像がよく似ていると思って以来、肘をついて横たわっている像をコレクションしているそうだ。さまざまな釈迦涅槃像をはじめ、観音菩薩やヴィーナス、人魚からマリリン・モンローにミッキーマウス、カエルやパンダまで、なんとその数700あまり。それがずらっと展示されている。いま横尾忠則現代美術館 Y+T MOCA で開催中の「横尾忠則 大涅槃展」がおもしろい。

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 ポスターにも使われている『誰か故郷を想わざる』をよく見ると、赤と黄色のラインで区切られたマス目に、ほら、いろんな姿でいっぱい寝そべっているでしょ。一部分をアップにしました。なかに火星人らしきものもいますが。
 涅槃=ニルヴァーナは釈迦の死を表すと同時に、あらゆる煩悩から解放された悟りの世界を表す。それは横尾さん流に解釈すれば「生と死」や「聖と俗」が対立するものではなく、一人の人間のなかに表裏一体となって存在する基本的な性質だそうだ。

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 「涅槃」ポーズはただ集めただけではなく、横尾作品にたびたび登場する重要な要素のひとつだ。輪廻転生を繰り返してきた魂が、やがて到達する不生不滅の境地である涅槃。それは生きとし生けるものにとって憧れのユートピアに違いない。このなにげないポーズが、意識してか無意識かは問わず人を瞬間「涅槃」の地へ誘っているのかもしれない。たしかに、肘を立てて寝そべると、なぜかリラックスして安らかな気分になる。え、それは単なるナマケモノだって。そうかもしれません。

横尾忠則 大涅槃展
Y+T MOCA 横尾忠則現代美術館
2015年1月24日(土)~3月29日(日)

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