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2015年2月16日 (月)

ホドラー、リズムの絵画

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 ホドラーの絵の解説では「リズム」と「パラレル」という言葉がよく使われる。これは自身も述べていたし、当時の美術評論家も使った表現だ。同じような形態が続くことによってリズムが生まれ、絵が力を増すと考えたようだ。それはホドラーが大画面の壁画制作に情熱を傾けたことに関係が深いと思う。一枚のタブローと違って、大きな壁画はいい意味での「装飾的」と呼ばれるようなアイデアと技法がないと画面が持たない。同時代のクリムトやムンクなど壁画に意欲的に取り組んだアーティストはみんなそういう共通性がある

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 そしてホドラー独自の特長は、やはり「身体性」の表現に尽きるだろう。ポスターやチラシのメインビジュアルに使われている『恍惚とした女』や、それと対をなす『悦ぶ女』などはまさにそんな作品だ。ドガの踊り子やマチスのダンスより、もっと直截的にもっと深く身体の動きを追求していると思う。ちょっと荒唐無稽かもしれないが、東洲斎写楽が歌舞伎役者の決めのポーズを描いた浮世絵に似ていると感じました。もちろん両者はまったく別物で、ホドラーが全身の身体を追求したのに対し、写楽は身体の中でも特に顔の筋肉を強調している。

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 私が好きな作品で『夕べの休息』という油彩がある。ホドラー展の中にあっては少し異色な比較的静かな作品だが、よく見るとなにげなく立っているだけに見える女性は、まるでコンテンポラリーダンスの動き(静止)のようじゃないですか。緊張感あふれるポーズ。そして坂道の反復。やはりホドラー以外ではありえない。自然の中という情景を借りてはいるが、ステージの上にいるダンサーの劇的な姿。なにげないどころか周到に構成された一枚だ。20世紀初頭からのモダンダンスの勃興と連動した「身体性」への関心と美の探求。フェルディナント・ホドラー、予想以上の感動を与えてくれました。

日本・スイス国交樹立150周年記念
フェルディナント・ホドラー展
兵庫県立美術館
2015年1月24日(土)~4月5日(日)

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