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2015年1月

2015年1月31日 (土)

絶景!野麦峠スキー場

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 ゲレンデの上部から滑り降りる方向を見れば、正面に乗鞍、右手に前穂、奥穂、西穂、焼岳、今回気付いたのだがピラミッド型が美しい笠が岳も見えている。左手には御嶽、山頂の少し下の左手からは今も水蒸気が立ち上っているのがよくわかる。有名な山々がこれだけ見わたせるゲレンデはちょっとないでしょう。「槍ヶ岳が見える!」と興奮しておっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。しかし残念ながら穂高連峰の陰になって、槍は見えません。とがっているのは前穂。たしかに槍だと思いたくなる気持ちはわかりますが。

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 そんな眺望抜群のスキー場なのに、お客さんが少ない。かつてスキーブームのころ、リフト待ち2時間はあたりまえと言われたころも、ここは待ち時間ゼロ。利用する側からはありがたいし、ほかのスキーヤーと衝突する心配もないので評判がいい。しかし常連さんだけでは経営的には厳しいものがある。もともと奈川村の村営だったのが、松本市に合併されてからは、毎年のように存続の話題が持ち上がる。松本市はいっぱいスキー場があるから、お客さんの少ないスキー場の一つや二つなくなってもいいじゃないかと思っているだろう、と地元民はやっかむ。

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 でも細々ながら何とか持ちこたえられているのは、スキー場として野麦は独自のスタンスを確立しているからだろう。標高が1,450mから2,200mに位置するスキー場なので、眺望だけではなく雪質がとてもいい。さらさらのパウダースノー。4,000m以上を一気に滑る降りられるコースを活用してジャイアントスラロームの大会が開催されるなど、上級者向けに特化した(あるいは特化せざるを得なかった?)生き残り戦略のおかげ。

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 ここの名物はコースの途中にある狭くて急な立て水の坂。ここに差し掛かると『SLOW スローダウン』の標識ある。リフトで上に昇ると、ここを通らなくては降りてこれない。ここがイヤな人は、下のお子さま向けのファミリーゲレンデで遊ぶしかない。だから初心者にはまったく優しくないのだ。ちょっとおどかしましたが、それほどでもない。皆さん楽しくやっておられます。滑って転んで、いい思い出作って。一度来られた方はかなりの確率でリピーターになるようです。ここ数年、スキーもボードもお客さんが戻ってきたような気がする。すこしいい兆しが見えてきたかな。
 

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2015年1月27日 (火)

役立たずのダムを取り壊せ

Damnation
 「小さい頃、自分で散らかしたものは、自分で片付けるように教えられる。それは私たちの“家”である地球に対しても言えるはずだ。破壊的ですぐ役立たなくなるダムを建てたのなら、それを片付け、自然を元通りにする責任が私たちにはあるはずだ」。これはドキュメンタリー映画『ダムネーション DAMNATION』の制作責任者でパタゴニアの創業者でもあるイヴォン・シュイナードの言葉です。
 アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。その多くは川を変貌させ、サケなどの魚を絶滅させた。しかも発電・灌漑・洪水防止の役割も、期待されたほどの効果は発揮できていない。むしろ高い維持費をかかって経済的にはマイナスのものも多い。そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきたそうだ。
 上の画像はこの映画のチラシです。ハサミでダムを切り裂いているインパクトの強いビジュアル。じつは実写、デザイン処理ではありません。警備のゆるい深夜にアーティストがザイルで吊り下がって、ダムの壁面にペインティングしたもの。ほかにもでっかいひび割れをペインティングしたダムもある。ユーモアがあるでしょ。このあたりはアメリカ人の素晴らしいところ。巨費を投じたダムを壊すなんてクレージーだと馬鹿にされた時代から、何十年もかけてアーティストや生態学者、自然保護運動家たちが川の自由を求め続けて闘ってきた歴史があるのです。
 このドキュメンタリーは、フランクリン・ルーズベルトがダム完成式で「国の発展と国民の幸せに役立つ」と称えた演説の映像や、ダムで働く人たち、水資源管理局のお役人など推進する立場のインタビューもたくさんはさんでいる。ただダムを壊せ!だけではない。そのキモは、一人一人の小さな努力でも、やがて大きな社会変革につながるエネルギーに結実することがある、という挑戦や行動のたいせつさを説くこと。「希望」がテーマなのだ。

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 日本でもダム、防潮堤、スーパー林道などたいして役に立たない公共工事が経済性を無視して作られ続けている。八ッ場ダムはそれでも作られるし、原発も止まらない。そこには官僚や政治家や工事業者などの利権がからんでいる。と言っても彼らはちっぽけな存在だ。もっともっと大きい、時代や個人の能力をはるかに超えた目に見えない力(それを『体制』と呼ぶのかもしれない)がドンと控えているので大変だ。でも、だまっていては後世に負の遺産を積み上げる体制をサポートすることになるのではないでしょうか。子や孫にたいする責任を果たすためにも、ダムネーションを観に行ったり、日本の川に自由な流れを取り戻すための署名運動に参加したり、行動を起こしましょう。
 この映画でアメリカという国の偉大さ、アメリカ人の素晴らしさ、アメリカ社会の柔軟さを、あらためて思い知らされました。私たち日本人も負けてはいられない、と気が引き締まる思いで新開地の神戸アートヴィレッジセンターを出たのでありました。

DAMNATION ダムネーション
神戸アートヴィレッジセンター KAVC CINEMA
2015年1月24日(土)~2月6日(金)

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2015年1月24日 (土)

フィオナ・タン まなざしの詩学

Fall
 中之島の国立国際美術館で開催中の展覧会、「フィオナ・タン まなざしの詩学」を見てきました。彼女は中国系インドネシア人の父とオーストラリア人の母のもとに、インドネシアで生まれオーストラリアで育ったそうだ。その後ヨーロッパに移住し、現在はアムステルダムを拠点に活動する映像作家。そんな複雑な自身のアイデンティティ探しをするドキュメンタリー『興味深い時代を生きますように』は、どこへいっても異邦人の感覚が抜けないと言うタンの初期の代表作です。これが60分。ほかにも50分や30分の作品など計17作の展示・上映なので、じっくり見られる時間をつくって行く必要があります。さまざまなイメージを丹念に織り上げてつくりあげるフィオナ・タン。鑑賞する私たちも丹念に見たいものです。

Rise
 なかでもぜひ見ていただきたいのが、2009年ヴェネチア・ビエンナーレのオランダ館で発表された「ライズ アンド フォール」。ナイアガラの激しい水の流れと対比して、年老いた女性と若い女性の二人のなにげない日常生活を淡々と描く。記憶の断片を重ねたような構成は、喜びも苦しみもたくさん経験する山あり谷ありの人生を暗示する。そして動きの少ない静かな映像が、よけい私たちの想像力を刺激する。さまざまな記憶の中に生きる老いた女性と、まだ先の長い、つまり将来に味わうであろう悲しみも苦しみも知らない若い女性。とうとうと流れる水の勢いには逆らえないように、自分の意志ではコントロールできない大きな力の存在に気づくのは老いてからなのでしょうか。時間、記憶、運命・・・。具体的には何も言っていないけれど、深く考えさせられます。

フィオナ・タン まなざしの詩学

国立国際美術館
開催中 2015年3月22日(日)まで

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2015年1月21日 (水)

慰霊と復興のモニュメント

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 献花を行う場所は東公園の南にある慰霊と復興のモニュメントの池。名称はCOSMIC ELEMENTSという。Photo_7記帳するともらえる白い菊の花を持って 行列に並んび、献花をして手を合わせる。そこから 回り込んで地下室へ降りていくと、コンクリートの壁面に阪神・淡路大震災で犠牲になった人たち全員のお名前が刻まれた銘板がずらーっと並んでいる。名前をさすっている人。そこに故人がいるかのように話しかけている人。静かな祈りの空間だ。この日は特別に、早朝から中へ入れる。

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 この地下室から上を見上げると、さっき献花をした池が見える。天井(池の底)がガラス張りなのだ。献花をして祈っている人の姿が見える。金沢21世紀美術館のコレクションでレアンドロ・エルリッヒの作品『スイミング・プール』のようです。(こんなことを考えるのはちょっと不謹慎ですが) この下から見る花々はじつに幻想的。亡くなった人と会いたいと慕う人を結びつける、この世とあの世の架け橋のように感じられる。しかも、どちらがこの世でどちらがあの世かわからない感じ。もしかしてご先祖さまはお墓の中からこんな風景を見ているのでしょうか。

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慰霊と復興のモニュメント
COSMIC ELEMENTS
午前9時~午後5時

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2015年1月18日 (日)

阪神淡路大震災から20年

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 三宮の東遊園地。まだ暗い午前5時46分。20年目の追悼行事には夜来の雨も止んで、たくさんの人々が訪れました。(報道によると約1万4千人。夜9時までには10万人を超えたそうだ) 「命」「勇気」「こころ」「祈」「希望」「生きる」「笑顔」・・・さまざまな言葉が書かれた約1万本の竹灯ろうにローソクが灯され、大きな『1.17』が浮かび上がる。
 ついこのあいだの出来事のように思えるが、震災の年に生まれた子供たちが今年は新成人になった、とニュースで聞くとやはりずいぶん月日が流れたと感じます。そして災害を体験した人がだんだん少なくなり、そのうち風化していく。日本人は忘れやすいから、ではダメだと思う。大きな苦難を教訓にして、次の災害に備えるためにその経験や記憶を役立てないと、犠牲になった6千数百人は浮かばれないだろう。

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 はたして東北の大震災、津波、原発事故で、阪神淡路の経験は生かされたでしょうか。大勢のボランティアが集まったのは、生かされた例。とくに若い人たちが会社を辞めて、大学を休学して、全国から駆け付けた。それも自分の喜びとして。生かされなかった例は、「復旧」「復興」と声だけ大きく、以前と同じ発想の土木工事に予算をつぎ込む政府。被災した住民の意思や暮らしより、数字や統計が大事なのかもしれない。
 結局、被災した住民は自分自身で生活を建て直し、心の傷を修復し、なんとか自力で前に進むしかないのでしょうか。高速道路、埋め立て地、無秩序な宅地開発、防潮堤、避難計画の不備、原発の安全神話を作り上げた責任はだれ一人とらず、個人の生活は自己責任で、なんて笑い話にもならない。

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 地震、台風、豪雪、火山の噴火。いつどこで災害が起こっても不思議でない国土に住んでいる、という自覚を一人一人が持ち、自己防衛をはかるしかないようだ。ボランティアさんがつくる炊き出しの温かい豚汁にホッとしながら、そんなことを考えた。国や行政は頼りにならないが、身近にいる名もなき市民が互いに助け合う。これが日本の素晴らしさだと思う。逆にそれに頼るしかないというのが弱点でもありますが。
 まぁそんなグチをこぼしても、哀しくなるだけなのでやめておきましょう。選挙でそんな政治を選択しているのは私たち自身なのだから。いま生きている幸せを感じること、それは、亡くなった人々からより良い社会を作り上げていく責務を託されたことと表裏一体のことだと思います。よほどしっかり生きて行かなくちゃね。

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2015年1月16日 (金)

あるふぁべっと in 心斎橋

Best
 先日、心斎橋のアップルストアで Beso of One to One というイベントがありました。Macの使い方をトレーナーさんに教えてもらっている人たちが、自分で作った作品をお披露目して皆さんに見ていただく、という作品発表会。今回の出場者は4名。その一人がけいママだったのです。
 3Dアニメーションを作った人、フォトブックを作った人、ドキュメンタリーを作った人。それぞれ個性的なテーマとテクニックで素晴らしい作品に仕上がっています。けいママはというと、ジャーン!PECHUさんの「あるふぁべっと」を紹介する動画作品! 

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 あるふぁべっとの各文字が動いたりパーツが回転したり、なかなかの力作です。会場にはPECHUさんも応援に駆けつけてくれました。
 パソコン画面で見ているのと違って、会場に用意された大画面で観ると、超細密な描線の美しさが際立ちます。観客の皆さんから「素晴らしい!」「感動しました」と、PECHUさんに絶賛の声が上がる。うれし恥ずかし、ちょっと照れ気味のPECHUさんでした。この、けいママ作『あるふぁべっと by PECHU 』は以下のURLでご覧いただけます。https://m.youtube.com/watch?v=antABlWWJI8
どうぞお楽しみください。

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2015年1月13日 (火)

天王寺でPECHU展スタート

Pechu
 いま今年初のPECHUさんの展覧会が、あべのHoopの6階にあるカワチ画材さんで開催されています。「宇宙」シリーズ、「金魚」シリーズ、「あるふぁべっと」シリーズのジークレー版画をはじめ、昆虫をテーマにした作品や江戸浮世絵をモダンにしたような美人画シリーズ。もうファンにはたまらない構成です。お店の一角がすっかりPECHUワールドになって、まわりとは違う空気が漂っています。

Pq
 そしていつも大人気のPQ。(ペチュのキューピーだから、ピーキューなのですね) ちっちゃいのから大きいのまで、各種サイズがズラ~リ! ユニークな子もいます。 ちょっとグレた子もいます。Photo_3 全身に和紙を張った上からペインティングしたようなニュータイプもいます。 おなじみ金魚のポストカードや、新作グッズ「えいえん」バンダナも販売。もちろん、さっそく買いました、ハイ。なかなかきれいな仕上がりです。布などにプリントすると材質によってはにじんだり、かすれたり、ツブレたりしてガッカリすることがよくありますが、この「えいえん」は大丈夫。

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 2日間ライブペインティングもやりましたから、そのできたてほやほやの作品もご覧いただけます。(写真は初日のものなので、まだ進行中です) 今回はリキテックスの新しい画材も使って、すごくカラフルで楽しい。キャンヴァスに描いているので保存性も言うことなし。PECHUさんが新しい世界に踏み出したようで、うれしい限り。これからの活躍をますます期待してしまいます。しっかり頑張ってくださいね。

PECHU展
カワチ画材 あべのHoop店
2015年1月10日(土)〜18日(日)
11時〜21時

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2015年1月10日 (土)

光る海、冬の空

Bright
 冬は太陽が低い。だから思いがけない家の奥まで光が差し込んで、新鮮な驚きをもたらせてくれる。今まで照明の光でしか見ていなかった壁の表情が、強い自然光の光と影でくっきりと浮かび上がる。「へぇ、ツルンとした愛想のない壁だと思ってたけど、けっこう質感があったんだ」な〜んてネ。
 太陽が低くなって、もうひとつ面白いのは海が光ること。これは入射角が浅くなると、私たちの目線に海面の反射光がよく入って来ることによる。主に太平洋側、南に海がある地方ではふつうの現象だ。冬場は雪雲がよく出て、その隙間から差す光で部分的にキラキラ光るので、よけい目立つのかもしれない。『天使のはしご』または『天使の階段』が現れるのも同じ状況だ。

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 今年はお正月から寒波が来て、どんより薄暗い冬の空が多い。まるで北陸地方になったような感じ。雪もよく降る。毎日のようにチラチラ雪が舞うなんて、温暖化はどこへ行ったのと聞きたいぐらい。
 久しぶりに夕方晴れ間が見えた、と思ったら東の空に虹が出ていた。そして西の空は、コンスタブルが描くイングランドの空のような柔らかいブルーと夕焼けのオレンジが。うっとり見とれてしまいます。湿度が高いから、差してくる光ももやに包まれたような効果で、柔らかくなるのでしょうか。空気中の水蒸気で乱反射したり、弱められたりした、いわば霧を通してみた色。こんな色の空は、春や夏や秋には見られない。冬のほんの数回しかあらわれない色だ、と思うと何か貴重な一瞬に立ち会えた幸せを感じます。

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2015年1月 1日 (木)

穏やかな善き年であれ

 昨年も世界は戦争や災害、事件や感染症などで多くの命が失われました。悲しいことです。世の中はそんなに急には変わらない、と思いつつも「今年こそ平和であれ、善きこと多くあれ」と願わずにはいられません。そこで年の初めにアッシジの聖人サン・フランチェスコの言葉をお届けしたいと思います。

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 アッシジにはサン・フランチェスコをしたって世界中から巡礼者が詣でます。昨秋フランチェスコ聖堂を見学に入ったら、ちょうどミサがおこなわれていました。それに同席したときのこと(と言っても言葉もわからないし、ただ後ろに立っていただけなのですが・・・)。 ミサが終わったと思ったら、横の人も前の人もみんな周りの人たちと握手を始めたのです。もちろん私たちに対しても。「なんだ、なんだ」と思いながらも、「ありがとう」と言いいながら笑顔で握手を返す。よくわからないけど、この場の人はみんな友達だということなのでしょうか。なんだか心が温かくなってジーンときてしまいました。しばらく動くことができないほどの大きな感動。あとで調べると、人はみな兄弟、犬や小鳥も兄弟、というフランチェスコの教えがあるそうです。フランコ・ゼフィレッリの映画『ブラザー・サン シスター・ムーン』をもう一度見たくなりました。

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 Pax et bonum ラテン語で平和と善をあらわすこの言葉は、フランチェスコ修道会のあいさつのように使われているとか。英語ではPeace and goodです。じつはPAXREXというギャラリー名を付けたときは、この言葉を知らなかったのです。でも何か不思議なものを感じました。フランチェスコ聖堂の前庭の芝生にも、PAXの文字にそろえられた植え込みが。みやげ物屋にはこの言葉のTシャツや絵はがきが。アッシジの街にはPaxの文字があふれていました。平和で穏やかで、善きもの善きことがあふれる地上の楽園。世界の地にこんな日々が訪れますように。
 

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