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2014年12月 8日 (月)

民博、イメージの力

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 万博公園の民族学博物館へ『イメージの力』展を観に行ってきました。9月から始まっていたのに、開催期間が終わろうかというぎりぎりのタイミングで。国立新美術館で東京の人たちを大いに驚かせた話題の展覧会が、関西に帰ってきたものだから見逃すわけにはいかない。まぁ関西人としてはこんなコレクションが千里にある、ということをちょっぴり誇りに思いながら。

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 これは国立民族学博物館ができて40周年記念の特別展です。民博が所蔵する膨大なコレクションから約600点の造形物を精選して展示。「人間はその歴史を通じてさまざまなイメージを生み出してきたが、イメージのつくり方や受け止め方に、人類共通の普遍性はあるのだろうか」という問いに対する答えをさぐる、そんな展覧会だとチラシに書いてある。

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 仮面から彫像、衣服や道具にいたるまで、世界中の民族が作ってきたさまざまなカタチ。それらは神であったり悪魔であったり、人間を超越したパワーや日常からの解脱をめざして表現している。生命力の賛歌や死の恐怖からの解放を、真剣に愚直に考えているのだろう。決して受けねらいではなく、祈りにも似た純粋な情熱。芸術の目的とは何か、という問いに答えてくれるような気がします。と言っても、堅苦しくて息が詰まりそうなものではない。むしろおおらかな印象で、理屈抜きに核心をぎゅっとつかむ骨太な表現になっている。

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 人類共通の普遍性はあるか?という問いには、あると答えたい。生命の喜び、死後の心配。魔除けと利益への願望。それらをどうイメージ化するかは、気候風土や民族の歴史によってずいぶん違いがある。それが固有の文化だ。しかしその底に流れるものは、とてもよく似ていると思う。似ているということは、見方を変えれば、それが地球上に住む人類のイマジネーションの限界だ、と言えるのかもしれません。
 

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コメント

御無沙汰しています、私も先日観て来ました、今まで興味なかったのですが、抽象絵画特にピカソなどが、作風を取り入れています、そんな事を考えながら見るが、興味深かったです。

投稿: 中田 明 | 2014年12月17日 (水) 11時06分

おもしろかったでしょう。
民博、私は年に2から3回ぐらい行っていますが
いつも満足して帰っています。

投稿: ひろパパ→中田さんへ | 2014年12月17日 (水) 13時41分

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