ナナカマドの朱い果実
いまナナカマドの実がきれいな朱色で映えています。バラ科の落葉樹で、まだ少し早いけれど真っ赤になる紅葉はじつに見事です。松本市や札幌市で、街路樹として植えられているのを見ました。この実をホワイトリカーに漬けた梅酒ならぬ「ななかまど酒」というものもあるそうだが、まだお目にかかったことはない。
ナナカマド、漢字で書くと七竈(カマドは画数の多い字で、これはパソコン特有の略字でしょう)。カマドとは石や土で作った設備で、上に鍋や釜を置き下から火を焚いて煮炊きをする。ヘッツイとも言う。昔はどこの家の台所にもあったそうだが・・・。辞書を見てこんな説明をしなければいけないぐらい、現代の生活からは縁遠い言葉になってしまいました。
さて、そのナナカマドの名前の由来については諸説あるらしい。
(その1)ナナカマドは材が燃えにくく、カマドに7度入れてもまだ燃え残るから。 (その2)ナナカマドは材質が硬く、7日間じっくり蒸し焼きにして炭化させると極上品の堅炭ができるから。 (その3)食器にすると丈夫で壊れにくく、カマドが7度ダメになるぐらいの期間使用できるから。
カマドが生活から消え、炭もあまり見かけなくなった私たちからは、どの説が有力かなどと意見を述べる資格はない。「ああ、そうですか」と聞いておくだけだ。ちょっと惹かれる名前なので調べてみましたが、あまり実感はない。おもしろい音の響き、「ナナカマド」として記憶しておきましょう。
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