カク×カク×シカク展へ
いまギャラリーSPOONさんで開催されている、「カク×カク×シカク」展がおもしろい。佐藤邦雄さんや西口司郎さんをはじめSPOONさんゆかりのアーティスト100名が、各3点ずつのオリジナル作品を持ち寄った展示は圧巻です。PECHUさんも金魚を3点出品しています。
テーマは自由で100人の作品、となると見た目もバラバラで散漫な印象になりがちだ。でもこの展覧会は統一感があって、とてもいい。その理由は、展覧会名がなぜ「カク×カク×シカク」なのか?というところにある。 それは100mm×100mmの木の板を使った展覧会だから。サイズとカタチが同じなので、作品が展示された壁面は、カラフルなタイルを貼りつめたような美しさ。この素材はなにかの製品加工のときに出た端材だそうです。「とてもエコでしょ」と、担当者は言います。たしかに、捨てられる運命にあった素材に目を付けてアート作品に再生させたのが素晴らしい。この時点で企画の成功が五割がた約束されている。
同じ土俵を与えられた展覧会、というのはアーティストたちは燃えるものです。他の作家さんより目立つよう、誰も思いつかないここぞ!のアイデアと技術を盛り込もうと力を注ぐ。
100mm四方に自分だけの小宇宙を創る人。3点をつなげて1つの作品に仕上げた人。木の板ならではの木目を生かした人。なかには木版画の版木に使って、その版木そのものを作品にした西山友貴さん。立体作品を置く土台に使ってしまった梶川達美さんなど、あオモシロイ!へぇこんな使い方もあるんだ!と驚きと感嘆の連続でした。
一点一点は小さいながら、ギュッと凝縮された各アーティストの独自の世界。思わずうなってしまう技から、こんなのアリ?と笑ってしまうものまで。観る側のアタマを刺激し揉みほぐしてくれる展覧会、ぜひSPOONさんまで足を運んでください。地下鉄谷町線「天満橋」駅4号出口から、歩いて約8分です。
ギャラリーSPOON
企画展 カク×カク×シカク
2014年9月8日(月)~10月3日(金)
11時~19時 土日祝休み
大阪市中央区釣鐘町2-3-17 ベルハウス
Tel. 06-6943-1166
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