ハービスにて世界報道写真展
これ、何の写真だと思いますか? 私は丘の上に集まって夜空を見上げる『未知との遭遇』のシーンを思い浮かべました。すごく不思議で、すごく美しく、すごく気になる写真。
いま西梅田のハービスOSAKA地下2階にあるハービスHALLで「世界報道写真展」が開催されています。会場に入って真っ先に目がいくのが、米国ジョン・スタンマイヤーの作品。説明を読んで、世界ではこんなことが起こっているのか、と認識を改めさせられた。
ジブチで夜の海岸に立ち、携帯電話を掲げて隣国ソマリアからの安価な電波をとらえようとするアフリカ出身の出稼ぎ労働者たち。こうして外国に住む親類との連絡をかろうじて維持している。ソマリア、エチオピア、エリトリアなどから、よりよい生活を求めてヨーロッパや中東へ渡ろうとする出稼ぎ労働者たちにとって、ジブチは共通の中継点となる。
ちょっと長いけど、説明の全文を転載させていただきました。世界では私たちの想像力がおよばないさまざまな出来事が日々起こっているのだ。それは悲惨な戦争などニュースになるような大事件ばかりではなく、もっと日常的な、ごく些細な、しかし人々が生きていくうえで不可欠の出来事です。この写真1枚を考えても、激しい内戦、貧困と飢え、南北格差などなど、さらには民族と国家、医療と教育、資源と富、法と正義など、多くの問題点が1枚の背後に存在することがわかる。100の文章よりはるかに雄弁な1枚の写真。報道における写真の役割を考えると、この作品が世界報道写真展の大賞に選ばれたのも納得です。この展覧会では組み写真を含めて62作品が、私たちの知らない現代を写し出しています。
おなじ時代、おなじ空の下に
世界報道写真展 2014
2014年8月12日(火)~21日(木)
11:00~20:00
ハービスHALL(ハービスOSAKA地下2階)
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