園川絢也 ウハッと自分、生える展
いまブリーゼブリーゼで開催中の園川絢也「ウハッと自分、生える」展。なかなかの力作で、見れば見るほど味わいが深くなります。現代アートというのは、わかりにくく考えれば何が何だかワケがわからん、となる。でも無心になって眺めていれば、いろんなものが見えてくる。いろんな思いが湧いてくる。これでいいのだ!(バカボンのパパみたい)
この世界にウハッと生えてきて、ウドメキながら成長し、やがて熟し腐る。これは人間も他の生き物も、社会も歴史もアートも、みんな同じ。クヨクヨ、アクセクしても、どうせ同じ。それなら他人の目など気にせず、自分の思いに正直に生きたらいいじゃないか。
この造形物、鮮やかな赤やピンク色したビニールの巨大なネットのようだ。何でできているかといえば、金属の薄板に切れ込みを入れて広げた金網のような素材で大まかなカタチを作り、それに絵具を混ぜて彩色した接着剤を流し、貼り付け、乾燥させたもの。触れば柔らかく弾力がある。彼の過去の作品を紹介する映像を流すデジタルフォトフレームを置いた台、そのテーブルクロスも同じく接着剤でできた作品です。ぜひ触ってみてください。このつやつやして硬質な見た目とは違って、ムニュッとした触感もまたおもしろい。
こういう立体的な造形は、見る方向や高さによってずいぶん印象が変わる。こっちから見、あっちから眺め、1階から見上げ、2階で正対し、3階から見下ろし・・・。新たな発見に一人ニヤニヤするのも、現代アートを楽しむ秘かな喜びです。みなさんも自分自身の見方で、園川絢也のアート作品をお楽しみください。
園川絢也「ウハッと自分、生える」展
2014年8月25日(月)~9月7日(日)
大人のベルギービアガーデン
DOLPHINS
ブリーゼブリーゼ 1階
JR大阪駅桜橋口より徒歩5分
地下鉄西梅田駅より徒歩3分
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