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2014年7月10日 (木)

新宮 晋、地球の遊び方

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 風でまわる、水で動く、光を反映する。新宮晋の作品は地球の息吹を感じるからおもしろい。いま六甲アイランドの小磯記念美術館で展覧会が開かれています。
 関空の出発ロビーの天井にたくさん取り付けられた黄色い風車の羽のような作品や、銀座エルメス、ガラスブロックの2棟のビルの間でまわりの風景を写し込みながら動くステンレスの翼など、新宮晋の名前は知らなくてもよく見なれた作品がたくさんある。

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 それも日本だけではなくて、アメリカ、フランス、イタリア、台湾など世界各地にモニュメントのように動く彫刻が設置され、高い評価を受けている。彼は「作品を見る人に、ただ外からの傍観者ではなく、自然のリズムと作品との遊びの中に入って、作品を動かしているのと同じエネルギーが私たちを生かしていることを感じてほしい」と言っている。自然と親しく触れ合うのは日本人に特有だけれど、自然(地球)を人間と対立するものととらえ、克服しようとしてきた近代主義の行き詰まりから、現在そのメッセージには大きな普遍性が生まれているのだろう。

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 水を噴き出しながらその反作用でゆっくり回転するパイプ。屋内に設置され、ほんのわずかな空気の流れにも反応して動く彫刻。彼の作品は「創造」という言葉だけではなく、「発明」という言葉でも表せると思う。きっとサイエンティストの頭も持っているのでしょう。太古の昔から変わらない地球のサイクルと、最新のテクノロジーの進化によって生まれたハイテク素材。これらの合体で、彼は自然のエネルギーを目に見える動きに翻訳しているのだ。

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 まわりの環境に溶け込んで、そこにある風や水の流れなど地球の営みやエネルギーを感じさせてくれる作品を、美術館の展示室でどうやって見せるの?と、いう疑問が観る前はありますよね。でもご安心ください。小型作品や模型の展示、VTR上映などで十分楽しませてくれます。それに少年時代の水彩画から東京芸大時代の油絵、最近の絵本の原画など盛りだくさんの内容で、新宮晋の全容がわかります。
 もちろん、機会があれば屋外に設置された巨大な作品も見てください。ミュージアムショップには新宮晋の作品マップも販売していますから、これを参考に。

新宮 晋  地球の遊び方
2014年6月21日(土)~9月23日(火・祝)
神戸市立小磯記念美術館

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