« 乗鞍の雪の回廊を歩く | トップページ | フランク・ロイド・ライト設計 »

2014年6月 3日 (火)

カリントウと和食の蔵久

Photo
 雪を頂いた常念岳や大天井岳を望む信州安曇野に、花・林・桃・源・郷「蔵久(くらきゅう)」というステキなお店があります。文化7年(1810年)に建てられたお屋敷と庭園で、カリントウとお茶、田舎蕎麦や手作り豆腐、たけのこご飯などがいただける。もともとは造り酒屋だったそうで、周囲を立派な屋敷林に守られた五千八百平方メートルの敷地に、今もその名残の煙突や土蔵がたくさん残っている。Photo_5
 市川昆監督の『犬神家の一族』もここで撮影されたという。庭園には徳川家の葵の紋が入った大きな石灯籠がある。なんでも松本藩主が徳川慶喜に献上しようと作らせたが、それがかなわず当家にめぐって来たものだという。池のほとりにはカキツバタが紫色の花を咲かせ、その横にはギョリュウ(御柳)という初めて見る変わった木が煙るようなピンクの花をつけていた。
 もちろんここでいただくカリントウ(花林糖)やそば御膳の味は、また格別。売店もあり季節限定の「わさび塩かりんとう」など各種の花林糖や地酒、はちみつなど厳選された地元産品が手に入ります。

Photo_2
 さすが登録有形文化財に指定されている、この地方を代表する建物だけあって、内部のつくりもすばらしい。黒光りする板戸に囲まれた土間から、ちょうなで削られた床が数百年も踏みしめられたからだろう、つやつやと輝く板間を抜け、畳敷きの座敷に上がる。見事な欄間、掛け軸や飾り大皿などの調度品。中でも驚いたのは狩野探雪と署名がある屏風。金箔に松、竹、牡丹に鶴の構図。知られてはいないが狩野派の一人でしょうね。Photo_6
 それにここは古いだけじゃない。入り口に置かれた石と材木で作られた大きなベンチや、外カフェと呼ばれるオープンスペースの白くまるいステージ状の場所など、モダンで美しい姿を見せている。「古さに淀まず、、新しさに流されず。伝統にしっかり足を着け、未来を見つめたい」という蔵久のポリシーがよくあらわれています。松本に来られる機会がありましたら、ぜひ足をお運びください。

蔵久 くらきゅう 安曇野本店
長野県安曇野市豊科高家604
Tel. 0263-73-0170

|

« 乗鞍の雪の回廊を歩く | トップページ | フランク・ロイド・ライト設計 »

信州ながわ物語」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/180264/59710302

この記事へのトラックバック一覧です: カリントウと和食の蔵久:

« 乗鞍の雪の回廊を歩く | トップページ | フランク・ロイド・ライト設計 »