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2014年6月22日 (日)

雪が積もったような卯の花

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 卯の花の白妙に、茨の花の咲そいて、雪にもこゆる心地ぞする。(卯の花が真っ白に咲いているところに、茨が白く添うように咲いて、まるで雪の中、関所を越えているような心地がする)と、松尾芭蕉が『奥の細道』で書いている。いま六甲山でも真っ白く卯の花が咲きほこっている。この卯の花、植物の正式名としてはウツギ。アジサイ科の落葉低木で、茎が中空のため空木(うつぎ)と呼ばれる。「卯の花」の名は空木の花の意、または卯月(旧暦4月)に咲く花の意。
 暑い時期に山道を歩いていて、枝先にびっしり白い花をつけたこの木を目にすると、ほんとうに雪が降り積もっているかのような驚きがある。日当たりのいい場所に群生しているから、そのあたり一面が強い日差しを受けて真っ白に輝いている。

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 芭蕉が白河の関(古代の関所跡)を通ったのは元禄2年4月20日(1689年6月7日)ごろ。『奥の細道』には、古人冠を正し、衣装を改し事など、清輔の筆にもとどめ置れしとぞ。と書いたように古の故事に思いをはせて通ったことでしょう。芭蕉は句を残していないが、弟子の曽良がつくった句が載せられている。
     卯の花をかざしに関の晴れ着かな 曽良
 たしかに髪にかざせば冠の代わりになりそうな枝振りです。ちなみに、おからのことを卯の花と呼ぶのは「から」は「空」に通じるということで嫌われ、白いことから卯の花と言い換えられた、ということです。主に東日本での呼び名。いつから言われるようになったのかは知りませんが、きっと当時はそれだけ身近な花だったのではないでしょうか。では、なぜ「おから」? それは豆腐を作った後の残りかすだから。「もみがら」や「ぬけがら」の「から」と同じで、中身がないことをあらわす。「お」は丁寧語。そんな「おから」ですが、最近流行の糖質制限ダイエットでは栄養豊富な、つまり中身の濃い食品のホープとして脚光を浴びている。「から」ではなかった卯の花でした。

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