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2014年6月

2014年6月28日 (土)

ヤマモモが実る季節

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 ヤマモモがいっぱい実をつけています。赤い小さなツブツブが集合した、お菓子のようなカタチ。桃というよりはラズベリーなどに似ていると思う。バラ科の桃とはまったく違う植物のようで、常緑のヤマモモ科。春の花もすごく地味で目立たない。Photo_6六甲山系では比較的よく見かける樹種で、なかでも神戸市東灘区にある保久良神社の境内には20mを超える巨木が何本も並んでいて壮観です。ここの鎮守の森を形作る重要な樹となっている。そして細長い楕円形で厚みのある葉が濃い緑の影を作っていて、日差しの強い真夏でもこの下はまわりより涼しくてホッとする。
 ヤマモモは高知県の県の花、徳島県の県の木に指定されているように、温暖な気候のところに自生するらしい。そういえば信州奈川では見かけることはない。

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 鳥たちはこれを食べに集まっている。甘酸っぱい果実は人間も食べる。ジャムにして食べる。ジュースやシロップにして飲む。ヤマモモ酒にもするそうだ。でも虫が食っていることも多いし、大きな種を取り除くのも大変そうだから、ちょっと作ってみようかという気はしません。
 地面に落ちた実を撮影しましたが、落ちたものは傷んでいて食用にはならないそうです。この時期、大量に落ちているのだが、これは鳥や虫に食べてもらうことにしましょう。自然の循環で、めぐりめぐって私たち人間にもなにか恩恵がもたらされるに違いない。自然のものは自然のままに。ほんの少しだけ楽しませてもらえれば、それで十分です。

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2014年6月25日 (水)

吹き抜け空間をハトが飛ぶ

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 いまブリーゼブリーゼの吹き抜け空間をハトが群れ飛んでいる。これはアーティスト下村優介さんの作品です。これ、黒いワイヤーのように見えますが、実は切り絵。紙なのです。ハトが飛ぶ姿をササッとデッサンした線を、なめらかに切っている。まるで繊細なレースのよう。
 E X H I P I G E O N という展覧会、タイトルもオシャレですてきでしょ。下村さんはこれらの作品を「動」の切り絵、デッサンのような線をそのまま切り出し、ハトが飛び立つ羽ばたきを表現しているという。お時間があればぜひブリーゼブリーゼでご覧いただきたい。

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 空高く飛んで行っているハト、いまにも木にとまりそうなハト・・・さまざまな姿がじつに生き生きと表現されている。従来の切り絵のように額に納めるのではなく、吹き抜け空間に配置することによって、ダイナミックなインスタレーションになりました。Photo_3
 図案7割、カッティング技術3割とし、自分独自の手描きの線を最大限に生かした、細密なだけじゃない生命観あふれた作品を切り出したい。独学で切り絵を学んだという下村さんだからこそ生み出せた、切り絵の新しい可能性。へぇこれが切り絵!切り絵っておもしろい!と再認識させられる展覧会です。

下村優介 E X H I P I G E O N
2014年6月23日(月)~7月2日(水)
大人のベルギービアガーデン
DOLPHINS
ブリーゼブリーゼ 1階
JR大阪駅桜橋口より徒歩5分
地下鉄西梅田駅より徒歩3分

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2014年6月22日 (日)

雪が積もったような卯の花

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 卯の花の白妙に、茨の花の咲そいて、雪にもこゆる心地ぞする。(卯の花が真っ白に咲いているところに、茨が白く添うように咲いて、まるで雪の中、関所を越えているような心地がする)と、松尾芭蕉が『奥の細道』で書いている。いま六甲山でも真っ白く卯の花が咲きほこっている。この卯の花、植物の正式名としてはウツギ。アジサイ科の落葉低木で、茎が中空のため空木(うつぎ)と呼ばれる。「卯の花」の名は空木の花の意、または卯月(旧暦4月)に咲く花の意。
 暑い時期に山道を歩いていて、枝先にびっしり白い花をつけたこの木を目にすると、ほんとうに雪が降り積もっているかのような驚きがある。日当たりのいい場所に群生しているから、そのあたり一面が強い日差しを受けて真っ白に輝いている。

Photo_2
 芭蕉が白河の関(古代の関所跡)を通ったのは元禄2年4月20日(1689年6月7日)ごろ。『奥の細道』には、古人冠を正し、衣装を改し事など、清輔の筆にもとどめ置れしとぞ。と書いたように古の故事に思いをはせて通ったことでしょう。芭蕉は句を残していないが、弟子の曽良がつくった句が載せられている。
     卯の花をかざしに関の晴れ着かな 曽良
 たしかに髪にかざせば冠の代わりになりそうな枝振りです。ちなみに、おからのことを卯の花と呼ぶのは「から」は「空」に通じるということで嫌われ、白いことから卯の花と言い換えられた、ということです。主に東日本での呼び名。いつから言われるようになったのかは知りませんが、きっと当時はそれだけ身近な花だったのではないでしょうか。では、なぜ「おから」? それは豆腐を作った後の残りかすだから。「もみがら」や「ぬけがら」の「から」と同じで、中身がないことをあらわす。「お」は丁寧語。そんな「おから」ですが、最近流行の糖質制限ダイエットでは栄養豊富な、つまり中身の濃い食品のホープとして脚光を浴びている。「から」ではなかった卯の花でした。

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2014年6月18日 (水)

ジャスミンが満開です

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 あたりに芳香を漂わせて咲くこの白い花は、たぶんジャスミン。しばらく前から何の花だろうと気になっていました。それにしても、こんなにいっぱい咲いているなんて!(ちょっと意外性があるでしょ) 去年まではまったく気付かなかったのが不思議なくらい、そこらじゅうに生い茂っている。Photo_3深い谷の両側はまるで原始林のようにうっそうとしているが、そこの木々に何本ものジャスミンが巻きつき、小さな花をびっしり咲かせているのだ。この一年間でこんなにたくさん増えるなんてありえないから、これまでもあったけれどもっと少なく、目立たない程度にしか咲いていなかったのでしょう。
 同じ場所で一か月ほど前にはフジがたくさん薄紫の花をつけていた。このフジにしても去年ごろから目立って増えたと思う。木もいろんなツル植物に巻きつかれて大変だ。大丈夫なのだろうか。ツル植物もほどほどをわきまえないと、親亀こけたらみなこけた、になってしまいます。

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 ジャスミンティーの、もっと強烈なにおい。こんな強い香りが特徴のジャスミンはモクセイ科、常緑でツル性の植物。先が少し丸まって筒のようになった5弁の白い花。真ん中に黄色いオシベとメシベがある。熱帯や亜熱帯に自生する、とある。もともとは生えてなかったのが、鳥のフンで運ばれたのか、風で飛んできたのか、いずれにしても環境がよく合ったのでしょう。我がもの顔で繁栄を謳歌しています。Photo_4
 ジャスミンって花の命が短く、そのかわり次々と多くの花が咲くようだ。枝が道路の上に伸びているところでは、散った花弁がいっぱい積もっている。散ったばかりの白いのから時間がたって茶色くなったものまで。これをお茶に入れたらいい香りがするのかな。
 ニュージーランドの友人の家に遊びに行ったとき、ガレージを満開のジャスミンが覆っていたのを思い出す。そのときがジャスミンを見た最初だった。あれは9月末から10月の上旬にかけてのことだから、南半球なので季節はやはり春だった。それがまさか日本の、しかもこんな身近なところで見られるとは、想像もできなかった。名前からして、いかにも外国の花ってカンジでしょ。ちょっとうれしい発見でした。
 

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2014年6月15日 (日)

サムライブルーのおみくじ

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 4年に一度のサッカーワールドカップが始まりましたね。この時期だけ、九州の太宰府天満宮では「おみくじ」が日本代表のチームカラー・サムライブルーになるそうです。へぇ、でしょ!「サッカーも文化である」ことの表現として、文化の神さまである菅原道真公のもとで応援しようというもの。で、境内はこうやって結び付けられた「おみくじ」で青く染まる。Photo_2
 いつから始まったのかは知らないが、前回の南アフリカ大会でも期間限定で登場したそうだ。神頼みはダメだ、なんて堅苦しいことは言わずに、神さままでいっしょになって代表を応援する国民ってかわいくてステキだなぁと思いましょう。
 おみくじに描かれた八咫烏(やたがらす)はアーティスト・日比野克彦さん作。九州まで買いに行きたいけれど、もうワールドカップが始まってしまったので連日TV観戦で行く時間がない、ザンネン! また4年後のロシア大会の時には忘れずに手に入れようっと。

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2014年6月12日 (木)

アリクイのサラリーマンたち

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 西梅田のブリーゼブリーゼ、1階の大吹き抜け空間でベルギービールのビアガーデンが開かれている。夏場だけの100日間の期間限定だ。そこにクリスマスツリーのような木が2本立てられている。その木とまわりの柱、パラソルなどを使ってアート作品を展示する、という企画をお手伝いしている。
 その第1番手が木富慎介さんの「アリクイのサラリーマンたち」という作品。モノクロの線描画ですごくセンスのいい絵です。日本のサラリーマンが高度成長の時代、よく働きアリにたとえられていましたが、彼はそれを天敵であるアリクイでサラリーマンを表現。この逆説、このユーモア。絶妙です。

Photo_2
 吊革につかまって通勤していたり、雨降りの日に傘をさして歩いていると突風がきて傘が反対になったり、書類カバンの中身をうっかりぶちまけたり・・・。サラリーマンの日常のささやかなあれこれをビフォーアフターで描いています。それが決してシニカルではなく、とても優しい眼差しなのです。Photo_3
 もう一つのジャンルは、同じアリクイのサラリーマンたちが趣味の楽団を組んだのか、ピアノやベース、トランペット、ドラム、サックスを生真面目に演奏している姿をひとつずつ丁寧に描くシリーズ。
 一点一点見ていくと、どれも面白くて深いお話です。これから1週間から10日ごとに、作家さんを変えてリレー展覧会をやっていますので、梅田方面に行かれたらぜひブリーゼブリーゼに足をお運びください。

大人のベルギービアガーデン
DOLPHINS
ブリーゼブリーゼ 1階
JR大阪駅桜橋口より徒歩5分
地下鉄西梅田駅より徒歩3分

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2014年6月 9日 (月)

ポチ袋がアートになった

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 カラフルで、動きがあって、ユーモアたっぷりの、ポチ袋。知り合いの作家、海原幽山さんが作ったアートぽち袋の展覧会を見に行ってきました。お年玉やご祝儀を入れるあの小さな紙袋が、見事にアートになっていました。場所は堺の山之口商店街にある、ギャラリーいろはに。南海本線の堺駅と南海高野線の堺東駅との間にある商店街で、ここは与謝野晶子の出身地だそうで、アーケードの柱には彼女の短歌がフラッグになってたくさん掛けてある。
 海原さんのポチ袋は、色使いやデザインが面白いだけではなく、絵のパーツが動かせたり、めくると新しい世界が開けたり、と思いがけないアイデアや仕掛けで目と脳を楽しませてくれます。メルヘンのような物語を感じる作品の数々。子供にもどって純粋な心で、さあ作品と素直に向き合いましょう。

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 たとえば、ススキの原で月を見上げているウサギ。めくると月面から地球を見上げているウサギになる。青い地球の周りにはロケットや人工衛星が飛んでいる。やっぱり月にはウサギがいたのだ。Photo_3
 夕焼け空のお日さまの中では、カラスが家路を急いでいる。遊び疲れた子供もみな帰ろ、カラスと一緒に帰りましょ。あるいは、金魚すくいのアミをすっと逃れて、金魚はスイスイ泳いでる。あるいは、ツバメは滑らかな曲線を描いて飛んでいく。めくるとそのツバメを下から見上げた姿になっている・・・。
 このように、どの作品も言葉で説明するのは難しいのですが、会場では実際に手で触れます。自分の手で動かしてみれば、その面白さは一目瞭然! そのために10倍ぐらいに拡大したサンプルも置いてある。みなさんもサンプルが傷んでしまう前に見に行かれてはいかがでしょうか。会期は6月末までです。

ギャラリーいろはに
堺市堺区甲斐町東1丁2-29
Tel. 072-232-1682
11時~18時 木曜休館

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2014年6月 6日 (金)

フランク・ロイド・ライト設計

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 芦屋川の大阪湾を眺望する高台に建つヨドコウ迎賓館を見てきました。1918年(大正7年)にフランク・ロイド・ライトが設計し、1924年(大正13年)に竣工した旧山邑家(櫻正宗の酒造家)住宅。自然の斜面に沿って、周辺の緑多き環境に調和するように建てられた4階建ての名建築です。鉄筋コンクリート造としては初めて国の重要文化財に指定された建築物だそうですよ。いまは所有者が淀川製鋼所に変わり、ヨドコウ迎賓館となって私たちも見学できるようになっている。とても幸せなことですね。

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 ライトらしい大谷石を使った端正な玄関を入る。マホガニーの重厚な色と窓からの明るい光。彼自身がデザインした幾何学的な家具。一気に時を超えてライトの世界に包まれる。中は思ったより天井が低く、そのぶん水平方向の広がりと視線の奥行きが強調されている。もちろんこれは彼の計算でしょう。そして天井の低さは日本人が小柄だからというわけではなく、ライトの住宅建築によく見られる特徴の一つだ。ジョンソンワックス社やグッゲンハイム美術館などの大型建築はこの限りではありませんが。

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 ここの特色としては和洋折衷というか、ライトが解釈した和室もあること。もちろん畳敷きです。畳やふすまは日本伝統の美しさを尊重し、欄間や違い棚は彼独自の美意識で。これらのディテールに見られるのは、うれしいことに日本建築や文化に対する愛情と敬意。光と影の微妙な陰翳に富んだ数寄屋の魅力は、その後の彼の作品にも繰り返し影響を及ぼしています。この建築を見学して、石や木や紙など自然素材の温かさと、障子や畳の美しさに気付かされました。ライフスタイルの変化にともなって和の様式が疎んじられてきましたが、この機会にちょっと見直してみたいと思います。

ヨドコウ迎賓館
開館日:水・土・日曜日と祝日 10時~16時
※阪急芦屋川駅から北へ、徒歩10分

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2014年6月 3日 (火)

カリントウと和食の蔵久

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 雪を頂いた常念岳や大天井岳を望む信州安曇野に、花・林・桃・源・郷「蔵久(くらきゅう)」というステキなお店があります。文化7年(1810年)に建てられたお屋敷と庭園で、カリントウとお茶、田舎蕎麦や手作り豆腐、たけのこご飯などがいただける。もともとは造り酒屋だったそうで、周囲を立派な屋敷林に守られた五千八百平方メートルの敷地に、今もその名残の煙突や土蔵がたくさん残っている。Photo_5
 市川昆監督の『犬神家の一族』もここで撮影されたという。庭園には徳川家の葵の紋が入った大きな石灯籠がある。なんでも松本藩主が徳川慶喜に献上しようと作らせたが、それがかなわず当家にめぐって来たものだという。池のほとりにはカキツバタが紫色の花を咲かせ、その横にはギョリュウ(御柳)という初めて見る変わった木が煙るようなピンクの花をつけていた。
 もちろんここでいただくカリントウ(花林糖)やそば御膳の味は、また格別。売店もあり季節限定の「わさび塩かりんとう」など各種の花林糖や地酒、はちみつなど厳選された地元産品が手に入ります。

Photo_2
 さすが登録有形文化財に指定されている、この地方を代表する建物だけあって、内部のつくりもすばらしい。黒光りする板戸に囲まれた土間から、ちょうなで削られた床が数百年も踏みしめられたからだろう、つやつやと輝く板間を抜け、畳敷きの座敷に上がる。見事な欄間、掛け軸や飾り大皿などの調度品。中でも驚いたのは狩野探雪と署名がある屏風。金箔に松、竹、牡丹に鶴の構図。知られてはいないが狩野派の一人でしょうね。Photo_6
 それにここは古いだけじゃない。入り口に置かれた石と材木で作られた大きなベンチや、外カフェと呼ばれるオープンスペースの白くまるいステージ状の場所など、モダンで美しい姿を見せている。「古さに淀まず、、新しさに流されず。伝統にしっかり足を着け、未来を見つめたい」という蔵久のポリシーがよくあらわれています。松本に来られる機会がありましたら、ぜひ足をお運びください。

蔵久 くらきゅう 安曇野本店
長野県安曇野市豊科高家604
Tel. 0263-73-0170

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