SWIM という展覧会
いまTANTOTEMPOさんで開催中の展覧会がおもしろい。フランシン・フライシャーと読むのでしょうか、アメリカの作家さんが撮った泳ぐ人々の写真。宇宙遊泳のように一人、二人、あるいは多人数で、泳いだり、漂ったり、思い思いに水と戯れている人々。
でもこれ、どうやって撮ったのでしょう。水が黒いのは夜だから? 人にだけストロボを当てて? いや、それではこうは写らない。タテの線が見えるものがある。まるで人が操り人形のようにヒモで吊り下げられたようです。でもよく見ると、ジャングルのツルのようです。
ここはどこ? ギャラリーのオーナーさんに聞くと、メキシコに隕石の落下でできたこんな穴に水がたまった洞窟湖のようなものがあるそうです。深い深い穴なので、太陽の光が届かず水が黒く見える。人々が泳ぐ水面だけは光が当たって明るい。だから泳ぐ人だけが強調されて、こんな不思議な写真になるという。
もちろん水着を着ているのだが、なぜか人間がこの世に生まれてきたままの姿に感じられる。天真爛漫。ただ水遊びをしているだけのようなリゾートの写真が、涅槃に向かう禅の修行に見えてくる。こんな不思議な魅力にあふれた作品は、ぜひ元町・乙仲通りのTANTO TEMPOさんでご覧ください。
SWIM Francine Fleischer
TANTO TEMPO
5月10日(土)~6月22日(日)
12時~18時 月・火・祝は休廊
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