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2014年1月 7日 (火)

スペインの白雪姫

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 映画BLANCA NIEVES(ブランカ ニエベス)。スペイン語の白雪姫。英語ではSNOW WHITE、語順は違いますが・・・。この意欲作は、なんと!モノクロ!でしかもセリフのないサイレント! もちろん時代錯誤ではないし、ただ昔懐かしを狙った変化球でもない。この映画のためにはこれ以上の表現スタイルはない、と思わせる見事な出来栄えです。シュールな美しい絵画のような闘牛場や灼熱の大地。色やニオイまで伝わってくるリアルさ。場面転換などに使われるサイレント時代以来の伝統的なテクニック。どれもこれも心地よい。
 
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 時は1920年代。スペインだから白雪姫は小人闘牛士団のスター闘牛士になります。音楽もいい。通奏低音のように響くフラメンコのリズムが光と影を情熱的にあぶりだす。継母は執念深い悪女。もちろん美女でなければなりません。ジュリア・ロバーツも演じたように。グリム童話の怖さを際立たせるためにも、美しい顔をゆがめながら繰り返し繰り返し白雪姫の命を狙う執拗さが必須条件。リンゴに注射器で毒を入れるのは、ちょっと笑えましたが。でも観客にはとてもわかりやすい。それもサイレントならではの表現法なのでしょう。
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 スペインならではの闘牛やフラメンコのしつらえに加え、もうひとつスペインらしくておもしろいのは、血(あるいは情念)。闘牛界のスターを父に、フラメンコ界のスターを母に持つ娘が持って生まれた能力と宿命。教育よりも生まれながらの血。アングロサクソンの合理主義とはあきらかに違う、濃密な空気と時間の流れが、この映画が持ちえた独自の美学。これはモノクロじゃなきゃとても表現できなかったでしょう。ガラスの棺に入れられた白雪姫、いつまでも記憶に残る悲しくも美しいシーンでした。
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