進化を続ける吉田兄弟
吉田兄弟の『和の祭典』というコンサートへ行ってきた。二人による迫力ある超絶技巧に驚かされるのは毎度のこと。会場も賛嘆の溜息と感動の拍手でサイコーに盛り上がる。
初めて聞いたWASABIの生音に魅了されました。吉田兄弟の兄・良一郎が中心になって結成された、新・純邦楽ユニットです。メンバーは津軽三味線:吉田良一郎、尺八:元永拓、太鼓・鳴り物:美鵬直三郎、箏・十七絃:市川慎の四人。歯切れの良さ、魂の奥深くを揺さぶるリズム、生々しい息遣い、躍動するグルーブ感・・・。和楽器だけの演奏で『和のカッコ良さ』を若い人たちに伝えたい、という彼らが作り出す音楽は、『和』の領域をはるかに超えてワールドワイドにカッコいい。和楽器のみで生み出した、初めてのグローバルミュージック。海外公演の多さも、それを裏付けているだろう。
そしてもうひとつ、「日本の心、和の響き」の素晴らしさを聞いてもらおう、体感してもらおう」と、全国の小学校、中学校、高校をまわって演奏する学校公演を活動の柱にしているそうだ。この姿勢も素晴らしいと思います。
ついWASABIの話に力が入ってしまいましたが、弟の吉田健一がプロデュースする疾風(HAYATE)の演奏も良かった。こちらはキッパリと潔い、若手トップクラスが集結する次世代の津軽三味線集団。力強いユニゾンも、繊細なハーモニーも、単一の楽器ならではの魅力がありました。このように兄弟それぞれが独自の道を切り開きつつ、吉田兄弟としてもさらにパワーアップしている。バチさばきも「若いころより早くなっています」と言っていました。(いまもぜんぜん若いけど) まだまだ進化中!の吉田兄弟、もっともっと高みを目指して突き進んでください。期待してま~す。
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