天空の白鷺、まもなく終了
世界遺産・姫路城の平成の大修理。工事の様子を見学できる施設『天空の白鷺』へ行ってきました。大天守をすっぽり覆う囲いの中にエレベーターで昇って、五層の屋根を真横から観察できる。鳥にならない限り、こんな至近距離から、こんな角度で見ることができるのは今だけ。完成すると見ることができない光景が眼前に広がる。屋根瓦の間を真っ白な漆喰で固めた、女性的ともいえるような優美なディテールが手に取るように楽しめます。白壁と相まって、まさに白鷺城です。
こうやって工事中の姿を有料で見せる、というのはバルセロナのサグラダファミリアの発想にならったものでしょう。観客は今だけの珍しい体験に満足し、集まる入館料は工事費の足しにもなる。お互いいいことずくめ。エレベーターに乗る順番待ちの行列に並んでいる間は、明治、昭和など過去の修復の歴史が大画面で紹介される。簡潔にまとめられていて、待ち時間を長く感じさせない。これもユニバーサルスタジオなどでおなじみ。つまり、よくできた見学施設なのだ。この『天空の白鷺』は、1月15日(水)をもって閉館となります。
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