備長炭の材料が六甲に
須磨の鉢伏山から旗振り山、鉄拐山、須磨アルプスへと続く六甲全縦路。先日歩いていてふとある説明板を見つけました。それで気づいたんですが、このあたりにはウバメガシがびっしり生えているんですね。ウバメガシは備長炭の材料で、温暖な気候と塩分を好むのか、和歌山県の海沿いにたくさん生えていると聞いていた。『山人伝』や『幽鬼伝』や『鹿笛』など、紀州の山を舞台にした宇江敏勝さんの素晴らしい小説集でよく出てくる木です。材は緻密できわめて堅く、高品質の炭に適しており、水に沈むほど比重が重いという。へぇ!こんな木が六甲にたくさんあるなんて! いままで思いもしなかったから、足を止めて説明板をしげしげと眺めてしまいました。
須磨から鵯越(ひよどりごえ)へ向かう尾根筋からは南側のすぐ近くに海が望める。だからこの南斜面には潮風がいつもあたっていて、ウバメガシの生育に適しているのでしょう。
それを読んでいて、もう一度、へぇ!と驚いた。 なんとウバメガシは別名を「バベ」と呼ぶそうじゃないですか。バベと言えば、実家の生け垣がそうだ。うちの親も植木屋さんも、バベ、バベと呼んでいる。ただ単に常緑で葉も密に茂るから、生け垣にむいているだけの木かと思ったら、こんなに役に立つ木だったんだ。でも生け垣だから年に2回も刈り込んでいるので、炭焼きに使うほど大きくは成長してないけれど。いやぁ知らないことが多すぎる、ホント勉強になりました。最近はあまり見かけなくなった炭だけど、ぐっと身近に感じられた一日でした。
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