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2013年10月16日 (水)

プーシキン美術館展

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 せっかく神戸市立博物館でやっているので見に行っとこう、と思って「プーシキン美術館展」に足を運びました。ルノワールの『ジャンヌ・サマリーの肖像』がチラシやポスターに使われている展覧会。サブタイトルに「フランス絵画300年」とあるように、プッサンやブーシェからはじまり、アングルやドラクロアまでが展示の前半。それから印象派の画家たちの作品。マネ、モネ、ルノワール、ドガ、ロートレックときて、いよいよセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンへ。このなかではロートレックのパステル画の小品『窓辺の女』と、ゴッホによる『医師レーの肖像』が良かった。医師レーとは、ゴッホが耳を切り落とした後に収容されたアルル市立病院のお医者さん。この絵をプレゼントされたが気に入らず、すぐに売ってしまったという。なんとも、もったいない。(いま思えば・・・。当時は誰もゴッホを認めていなかったのだから、無理もない)
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 さて、楽しみにしていた20世紀絵画へ。ピカソの名品やマティスの素晴らしい作品。いちばん感動したのはアンリ・ルソーの『詩人に霊感を与えるミューズ』。じつはこの作品は詩人アポリネールと恋人の画家マリー・ローランサンの肖像画なのだが、2枚描いたうちの最初の作品なのです。Photo_7二人の手前に描かれた花が詩人のシンボルであるカーネーションではなく、間違って別の花を描いてしまったから、律儀なルソーがあわててもう一枚描き直したという有名なエピソードがある。アポリネールに贈られた2枚目の作品は、現在バーゼル市立美術館にある。でも花は間違っていたかもしれませんが、やはり最初に描いたこの作品のほうがパワーがあると思う。アポリネールの顔もこちらのほうがクセがあって存在感が強い。肖像画としてはずっと上でしょうね。
 あとシャガールやレジェの作品もスゴイ! それにしても、なぜこんなにたくさんの近代以降のフランス絵画の傑作がロシアにあるのでしょう。エルミタージュのコレクションも素晴らしいですよね。それは19世紀後半から20世紀の初めにかけて、すぐれた審美眼を持った二人の大富豪がいたから。彼らはまだフランスの評論家でさえ気付いていない新しい才能をサポートし、彼らの作品を積極的に買ってコレクションしていました。そのおかげで現在のロシアの人々は、こんな奇跡のような作品群を身近に楽しむことができるのです。うらやましい。

プーシキン美術館展
神戸市立博物館
2013年9月28日(土)~12月8日(日)
9時30分~17時30分 月曜休館

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