見晴らしテラスに信号機?
信号機は何のためにあるのでしょう? そんなの、交通量の多い交差点で車や人が安全に通れるように流れをコントロールするために決まってるでしょ! ハイ、その通り。自慢じゃないけど、信州・奈川村には信号機が一台もありません。(余談でした)
大石起聖の「Color effect of Signal No.7」という作品は、ご覧のような歩行者用の信号機。でもなんか違和感があると思いませんか。信号機の後ろでは、野外劇場のように半円形に取り囲んだ石段に腰かけて、女性グループがおしゃべりしながらお弁当を食べている。ここ、見晴テラスはゆっくり座って眼前に広がる神戸から大阪、堺、さらには海を隔てて関空から和歌山方面まで見渡す絶景ポイント。じつは向こうから見ると、存在感の薄いグレーの箱が見えるだけ。お弁当の女性たち、もしかしたら信号機だなんて、気づいていないのかもしれない。
信号機なんかいらないこんな場所に、なんで? そんな素朴なひっかかりがアートへの入り口なのです。信号って何?なぜアオとアカなの?に始まって、信号を守っていても事故にあう小学生の話や人間の自由と社会のルールとの関係まで、思いはどこまでも広がっていきます。作者の大石は「日常の風景の中にあり、当たり前にみている『モノ』が、意外な場所に置かれると、私たちの意識は揺らぎます」と言う。
几帳面に1分ごとにアオとアカを点滅する信号機、アレッ!アカの人も歩いてるぞ。そうか、ここでは当然アカでも歩けるんだ。この作品は六甲ミーツ・アート会場内3ヶ所に展示されているそうだ。それぞれの違いも見つけてくださいね。
六甲ミーツ・アート 2013
2013年9月14日(土)~11月24日(日
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