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2013年10月

2013年10月31日 (木)

現代美術二等兵の“駄”アート

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 ん?マーライオン? なんかヘン。あ、人魚姫!え、小便小僧? ここは六甲オルゴールミュージアムの前庭の池。この現代美術二等兵の「がっかりトリプル」という作品です。おもしろいでしょ。世界に名高い三大彫像(?)を合体させてしまった。そういえばどれも口から水を吐いたり、オシッコしたり、水辺に座っていたりで、水とは縁が深い。うまく集めたものだと感心する。これをバカバカしいと言えばそれまでだけど、私たちの常識を一瞬揺さぶってニヤッとさせてくれる、素晴らしいアートだと思います。。
 それにガイドブックに載っているチョー有名な観光名所って、現地へ行くとほんとうに「がっかり」させられてしまうことが多いですよね。こんな名所のバカらしさとともに、わざわざ遠いところまで出かけてこんなものをありがたがる私たち日本人の観光旅行スタイルが、おちょくられているのかもしれません。
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 六甲オルゴールミュージアムの中に入ると、同じく現代美術二等兵による「六甲駄ミュージアム」という展示が観られる。一室にこれだけの数をごじゃごじゃと並べられると、このアートユニットの世界観や芸術観がよくわかってとても面白い。マルメッコを腰に巻いたPhoto_3北欧好きのヴィーナスや高知・桂浜の坂本竜馬ヴィーナス。オカメの面のような顔の犬やアイスホッケーのキーパーのマスクをつけた「13日の金曜日」金太郎、こけし鉄アレイなど、有名な作品も並んでいる。銭湯のタイル画のパロディやダルマのお遊び・・・ほんとうにバカバカしいナンセンスな作品群が、たっぷりと笑わせてくれます。
 現代アートだ、芸術だ、とさも難しそうに取り組んでいる作家さんもいますが、おもしろくなければはじまらない。古い、固い、美術の権威を笑い飛ばすパワーが素晴らしい。美術なんかなくても人は生きていけるのだから。でも美術があれば人生はもっと楽しい。笑いの中から、彼らはこんなことも教えてくれました。

六甲ミーツ・アート 2013
2013年9月14日(土)~11月24日(日)

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2013年10月28日 (月)

横尾忠則の肖像図鑑

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 森鴎外や樋口一葉から江戸川乱歩、谷崎潤一郎や安部公房、開高健まで、もちろん三島由紀夫も・・・。F4号の同サイズのキャンバスに描かれた、明治以降の文学史に登場する主要な作家220人の肖像画がおもしろい。いま神戸の「横尾忠則  肖像図鑑 HUMAN ICONS」展での一部。小品ながらとても大きなパワーで迫ってくる。一癖も二癖もある作家の力もあるのでしょうが、なんといっても横尾さんの画力と人間観察力によるところが大きい。
 マリリン・モンローが代表作のアンディ・ウォーホールによる肖像画もおもしろいけれど、リアリティや存在感はYokoo肖像画の勝ち。それぞれの作家の顔だけではなく、内面の世界までも表現するのに、長年の間に身につけてきたさまざまなスタイルの中から最適な方法を選択している。それがさらに小説家や詩人の個性を際立たせています。長いキャリアと独自のアイデアのたまもの。それが才能なのでしょう。
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 この美術館が素晴らしいのは、横尾忠則という現代美術家の全貌を研究し残そうとしているところ。アーカイブルームには書籍、新聞、雑誌、レコードジャケットなど、膨大な資料が集められ、いまも日々増え続けている。
 こんな姿勢が結実した展示のひとつが、三宅一生のパリコレの招待状。1977年から99年までのコレクションの、原画からデザイン原稿、刷り上がった印刷物までを展示してある。従来の日本の美術館ではなかった企画で、とても興味深い。デザイナーからイラストレーター、そして画家宣言をして、とジャンルやメディアを飛び越えて活躍するスーパー・アーティストを、従来の日本美術界のモノサシで測ることは不可能だ。ちょうどルネッサンス期の巨人がそうだったように、多様にジャンル横断的に活躍する全仕事をアーカイブすることこそ、この横尾忠則 現代美術館の設立の意味。ちょっとNYのMoMAの活動精神に似ています。
 作家が生きている間に協力を得て、もっともっと充実した美術館に成長し、いい展覧会をどんどん開催してくれるものと期待しています。

横尾忠則 肖像図鑑 HUMAN ICONS
Y+T MOCA 横尾忠則現代美術館
2013年9月28日(土)~2014年1月5日(日)

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2013年10月25日 (金)

栗きんとんは、中津川

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 信州から帰る途中、この季節だけの味を求めて立ち寄ったのは中津川の「すや」という老舗。栗きんとんです。本店ではなく、行きやすい国道19号線沿いの店舗ですが・・・。Photo_2いただきました。うん、さすが! 栗そのもののほっこりした味わい、ひかえめなほどに上品な甘さが素晴らしい。同じ栗のお菓子でも洋菓子のモンブランとは一味違う、滋味あふれる和の奥深さ。ただし生菓子なので日持ちがしない。だから、お土産にはあまり向かないかな。そこへ行って食べるか、買って帰ってその日か翌日に食べるか。おいしいものをおいしく食べるには、それなりの苦労があります。ちなみにこのあたりは栗の名産地で、JR中央本線・中津川駅前のロータリーには、「栗きんとん発祥の地」と刻まれた石碑が建っているそうだ。
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 同じ敷地内にある甘味処でいただいたのだが、この店のメニューには栗きんとんは載っていない。おしるこやあんみつなどを注文した客が頼んだ場合に限って、栗きんとんをお出しすると言う。これはちょっといただけない。わかりにくいシステムでしょ。文句を言ってもはじまらないので甘さのダブル、おしるこに栗きんとんを注文するはめになりました。来年からはぜひ「お茶と栗きんとんのセット」のような売り方をしてもらいたいものです。ほとんどの客は季節の名物「栗きんとん」が目当て。気の弱い人なんか店の人に聞くこともできず、「季節限定 山栗しるこ」を頼んでいました。(ちょっとかわいそう)
 すごくおいしく良質の商品を提供する栗きんとんの元祖店だからこそ、もう少し気を配ってほしいと思い、あえて書いた次第です。

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2013年10月22日 (火)

カツラの黄葉がキレイです

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 ちょうど今、奈川の谷筋に降りていくとカツラの巨木が数十本美しく黄葉しています。カツラは水分を好むのか、谷川に近いところに群生している。高さは30mぐらいあるでしょうか。たてに筋の入ったスラッと空高く伸びた幹。でもそのわりに小ぶりなハート形のかわいい葉が、真っ黄色に変わる。ちょっとイチョウに似ていますが、もう少しレモンイエローっぽいようです。Photo_3
 新緑も爽やかで空気がスーッと透明になる感じで良いものですが、この時期の黄葉はまた、あたりは鬱蒼としているのに世界がパッと明るくなったように感じて好きです。
 紅葉といえば桜や白樺は時期が少し早く、もうさかんに散っている。またカラマツはもっと遅く今月末ごろが見ごろ。台風の後、急に冷え込んできたからもっと早まるかもしれませんが・・・。このカツラは材が比較的柔らかいので、家具や彫刻の材料として使われるそうだ。特に上等の碁盤や将棋盤に珍重されるという。
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 このあたりの山はキノコがよく採れる。はないぐち、ひらたけ、しめじ、くりたけ、くろかわ・・・もちろん松茸も。春のタラの芽やコシアブラ、ワラビ、コゴミなどは採って食べるけれど、キノコはねぇ。まだ食べる勇気がありません。だって信州では毎年キノコ採りの名人が毒キノコにあたるったって話を聞くんですよ。それに近くの山彩館という地場野菜の直売所で、毎日採れたての天然ものが安く買えるし。わざわざ危険を冒す必要はありません。Photo_4
 おっと、いつの間にやらカツラの話からキノコの話になってしまいました。それというのもカツラを見に行く谷筋をはじめ、このあたりには他の人にキノコ狩りをさせないよう工夫した(?)いろんな看板が立っているから。9月から11月にかけて時期をずらしながら次々と生えてくるキノコ。太古の狩猟採集生活のDNAでしょうか、採りに行きたくなるのはみな同じ。なんとかして権利を守らないと、季節の楽しみ秋の収穫の喜びを失くしてしまうからかもしれません。

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2013年10月19日 (土)

2階建てのロープウェイ

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 ちょっと珍しい2階建てのロープェイが岐阜県高山市・新穂高温泉にあります。上高地から安房トンネルを抜け神岡方面にしばらく走って、西穂高岳を挟んだちょうど反対側に回り込んだところに位置する。
 定員120名、60名ずつ1階と2階に分かれて乗車する。乗り場も降り場も、とうぜん2階建て。1階になると「1階かぁ」と残念がる人もいるが、乗っていて1階か2階かぜんぜんわからない。もちろん見える景色も変わらない。バスや電車では上が見晴らしが良いので、つい2階が良さそうに思いがちだが・・・。きっと大量輸送の効率を考えての2階建てなのでしょう。ところが、なんとなく2階建てなら眺望が良さそうと思って観光客がたくさん来るので、その戦略は成功と言えます。
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 標高2,156mの西穂高口駅屋上の展望テラスからは絶景パノラマが広がる。東から北へ独標、西穂高岳、ジャンダルム、奥穂高岳、そして槍ヶ岳。西には美しいピラミッド型の笠ヶ岳が、抜戸岳や錫杖岳を従えて優雅にそびえる。南には焼岳や乗鞍岳。ちなみにここからの眺望はミシュラン・グリーンジャポン・ガイドで星二つを獲得しているそうだ。新穂高ロープウェイは通年運航。上の駅周辺は12月から3月まで冬景色、展望テラスにも雪が積もっています。めっちゃ寒いですが、気軽に厳しい冬山の眺望と空気が味わえます。
 1時間30分ほど樹林の中を歩くと西穂山荘。ここから先は岩場が続く西穂高岳への本格的な登山道。夏場でもちゃんとした服装・装備でないと行けませんのでご注意を。

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2013年10月16日 (水)

プーシキン美術館展

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 せっかく神戸市立博物館でやっているので見に行っとこう、と思って「プーシキン美術館展」に足を運びました。ルノワールの『ジャンヌ・サマリーの肖像』がチラシやポスターに使われている展覧会。サブタイトルに「フランス絵画300年」とあるように、プッサンやブーシェからはじまり、アングルやドラクロアまでが展示の前半。それから印象派の画家たちの作品。マネ、モネ、ルノワール、ドガ、ロートレックときて、いよいよセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンへ。このなかではロートレックのパステル画の小品『窓辺の女』と、ゴッホによる『医師レーの肖像』が良かった。医師レーとは、ゴッホが耳を切り落とした後に収容されたアルル市立病院のお医者さん。この絵をプレゼントされたが気に入らず、すぐに売ってしまったという。なんとも、もったいない。(いま思えば・・・。当時は誰もゴッホを認めていなかったのだから、無理もない)
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 さて、楽しみにしていた20世紀絵画へ。ピカソの名品やマティスの素晴らしい作品。いちばん感動したのはアンリ・ルソーの『詩人に霊感を与えるミューズ』。じつはこの作品は詩人アポリネールと恋人の画家マリー・ローランサンの肖像画なのだが、2枚描いたうちの最初の作品なのです。Photo_7二人の手前に描かれた花が詩人のシンボルであるカーネーションではなく、間違って別の花を描いてしまったから、律儀なルソーがあわててもう一枚描き直したという有名なエピソードがある。アポリネールに贈られた2枚目の作品は、現在バーゼル市立美術館にある。でも花は間違っていたかもしれませんが、やはり最初に描いたこの作品のほうがパワーがあると思う。アポリネールの顔もこちらのほうがクセがあって存在感が強い。肖像画としてはずっと上でしょうね。
 あとシャガールやレジェの作品もスゴイ! それにしても、なぜこんなにたくさんの近代以降のフランス絵画の傑作がロシアにあるのでしょう。エルミタージュのコレクションも素晴らしいですよね。それは19世紀後半から20世紀の初めにかけて、すぐれた審美眼を持った二人の大富豪がいたから。彼らはまだフランスの評論家でさえ気付いていない新しい才能をサポートし、彼らの作品を積極的に買ってコレクションしていました。そのおかげで現在のロシアの人々は、こんな奇跡のような作品群を身近に楽しむことができるのです。うらやましい。

プーシキン美術館展
神戸市立博物館
2013年9月28日(土)~12月8日(日)
9時30分~17時30分 月曜休館

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2013年10月13日 (日)

尿素って聞こえは悪いが…

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 繊細なレースのような、美しい樹氷の結晶のような、この真っ白い物質は「尿素」だそうです、オシッコに含まれているあの尿素。でもご安心ください。尿素は無色・無臭。それにあなた、その高い保水性がお肌のしっとりを保つとかで、化粧品の材料として話題の成分なのですぞ。でもその尿素でどうやってこんなアート作品をつくるのでしょう? 
 向こうが透けて見え、重さを感じない。存在感を極力そぎ落としながら、なにか独特な気配がある。作者は化学に強いのでしょうね、きっと。この物質をアートの素材に使ったところが、成功の一因です。
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 この尿素でアート作品をつくっている作家が大西康明さん。これは六甲ガーデンテラスのホルティに展示してある、その名も「六甲白景 2」というインすたっレーション。クモの糸に砂糖か塩の結晶がついてキラキラと輝いているような、あるいは地下水が噴き出したような、また宇宙の未知の生命体がなぞの変容を遂げているような、いろんなふうに見える。でも作家がそれ以上に目指しているのは、観る人の想像力を掻き立て妄想の世界に誘うこと。日常とは違う奇妙な胸騒ぎを引き起こすこと。そうそう、下のほうも見てください。ね、床の石畳に積もった粉雪のような美しさを。
 昨年だったか、中之島の国立国際美術館で見た美しくも儚いナフタリンの彫刻を思い出しました。あれは徐々に消えてなくなるのだけれど、この尿素はどうなんだろうか。気になります。

六甲ミーツ・アート 2013
2013年9月14日(土)~11月24日(日

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2013年10月10日 (木)

見晴らしテラスに信号機?

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 信号機は何のためにあるのでしょう? そんなの、交通量の多い交差点で車や人が安全に通れるように流れをコントロールするために決まってるでしょ! ハイ、その通り。自慢じゃないけど、信州・奈川村には信号機が一台もありません。(余談でした)
 大石起聖の「Color effect of Signal No.7」という作品は、ご覧のような歩行者用の信号機。でもなんか違和感があると思いませんか。信号機の後ろでは、野外劇場のように半円形に取り囲んだ石段に腰かけて、女性グループがおしゃべりしながらお弁当を食べている。ここ、見晴テラスはゆっくり座って眼前に広がる神戸から大阪、堺、さらには海を隔てて関空から和歌山方面まで見渡す絶景ポイント。じつは向こうから見ると、存在感の薄いグレーの箱が見えるだけ。お弁当の女性たち、もしかしたら信号機だなんて、気づいていないのかもしれない。
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 信号機なんかいらないこんな場所に、なんで? そんな素朴なひっかかりがアートへの入り口なのです。信号って何?なぜアオとアカなの?に始まって、信号を守っていても事故にあう小学生の話や人間の自由と社会のルールとの関係まで、思いはどこまでも広がっていきます。作者の大石は「日常の風景の中にあり、当たり前にみている『モノ』が、意外な場所に置かれると、私たちの意識は揺らぎます」と言う。
 几帳面に1分ごとにアオとアカを点滅する信号機、アレッ!アカの人も歩いてるぞ。そうか、ここでは当然アカでも歩けるんだ。この作品は六甲ミーツ・アート会場内3ヶ所に展示されているそうだ。それぞれの違いも見つけてくださいね。

六甲ミーツ・アート 2013
2013年9月14日(土)~11月24日(日

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2013年10月 7日 (月)

出石の皿そばを食す

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 人口12,000人なのにそば屋がおよそ50軒もある関西屈指のそばの町、出石。食べ方もユニークです。白い小皿にちょこっとのったそばを、ネギ、ワサビ、とろろ、生卵を薬味にしていただく。最小単位は5皿。ちなみに私は10皿食べましたが、男性としては少食の部類だそうだ。20皿以上食べると「皿そば之証」という木製の通行手形がもらえます。ただし料金が無料となるわけではないのでご注意を。
 出石そばの由来について…。宝永三年(1706)に出石城主の松平氏と信州上田城主の仙石氏がお国替えとなった。そのとき仙石氏とともに信州から来たそば職人の技法が在来のそば打ちの技術に加えられ、出石そばが誕生したという。その後、出石焼が始まり白地の小皿に盛る様式が確立された、と案内に書いてある。おそば自体もおいしく、またいろんな薬味による味の変化で、飽きずに食べられる工夫もしてあってなかなかのものでした。
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 そこかしこに歴史の香りがただよう城下町・出石。しっとりと落ち着いた街並みに、幕末の志士・桂小五郎が250日間潜んでいたという跡地に石碑が建っている。その石碑のとなりの店で食べたのですが、店内には有名人の色紙がいっぱい飾ってありました。十三代・片岡仁左衛門や中村獅童さんなど歌舞伎役者が多いのは、この町に明治34年に開館した「永楽館」という近畿最古の芝居小屋があるからでしょう。廻り舞台や奈落を備え、いまも歌舞伎などの興行が行われているそうだ。
 またNHK大河ドラマの八重の最初の夫がこの出石藩出身とかで、いろんなところに番組のポスターが貼ってありました。城跡もあるし由緒ある神社やお寺も多いので、観光客が増えている出石。11月初旬には新そばまつりも開かれるそうですから、いちどお出かけください。
 

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2013年10月 4日 (金)

コウノトリの郷公園へ

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 兵庫県の北部、豊岡市にコウノトリを見に行ってきました。1965年、絶滅の危機に瀕したコウノトリの人工飼育をスタート。保護増殖事業を続けた結果、いまでは飼育中が約100羽、野生に戻ったもの約70羽と着実に回復しつつある。農薬を使うようになってエサになるドジョウ、フナなどの水中生物がいなくなったことが絶滅の原因だから、と地域の人々も協力して無農薬の米作りや冬場の田んぼにも水をためるなど、豊かな自然環境づくりに取り組んだ成果です。
 コウノトリの郷公園では野生復帰にむけてエサをとる訓練や飛ぶ訓練をしているエリアを、ほんとうに間近で観察することができます。Photo_3訓練といってもイルカに芸を教えるのとは違って、もともとコウノトリが持っていた自然の中で生き延びる技術を思い出させ(?)、自立をサポートする地道な活動。優秀な成績で訓練を終了したコウノトリといえども、ごく普通のコウノトリということになる。理屈っぽい話になって、どうもスミマセン。
 で、周りを金網で囲っていますが、上は空。屋根もネットもなにもない。だからたくさんの人が見学に来ています。エサの時間が近づくと、野生に戻って施設の外で生きているコウノトリも帰ってくる。自分でエサを探すようになっても、ここへ来るとラクに食事にありつけることをよく知っている。その優雅な飛行姿に感動して写真を撮ろうと思ってカメラを取り出すと、もう降りてきている。こちらの思うようにはポーズをとってくれません。
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 コウノトリとタンチョウツルの違いは? 見分ける方法を解説してくださいました。頭のテッペンが赤いのはタンチョウヅルですが、飛んでいる姿を下から眺めてもよく見えない。そこでわかりやすいのは、足が赤いのがコウノトリ、黒いのがタンチョウヅル。よく見るとコウノトリは目の周りも赤いそうだ。館内に展示してある剥製で確認しました。ちなみにヨーロッパに分布する近縁種はクチバシも赤いという。Photo
 クチバシといえば、コウノトリはこのクチバシをカタカタと鳴らすクラッタリングでコミュニケーションしている。生まれたばかりの赤ちゃんは小さな声で鳴くそうですが、成長すると鳴かなくなり、もっぱらクラッタリングでコミュニケーションを図る。ツルの一声、という言葉もあるタンチョウヅルとの大きな違いでもあります。花札に『松にツル』の絵柄がありますが、これはコウノトリの間違いだそうな。なぜならツルは足の構造上、木にはとまれない。昔の人が見誤ったからでしょう、とのこと。些細な問題ですが、聞いてオモシロかったからご紹介しておきます。 

兵庫県立コウノトリの郷公園
豊岡市祥雲寺128番地
9:00~17:00 月曜休園

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2013年10月 1日 (火)

ひびのこづえの創造物

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 あの、衣装をアートにしてしまった美術家・ひびのこづえさんが、やっと六甲ミーツ・アートに参加してくれました。六甲ケーブル山上駅の構内に入るとわっと目に飛び込んでくるカラフルなバルーンの立体作品。ケーブル駅をワンダーランドに変える『六甲の山のいきもの』です。チョウのようなものやカエルのようなものやタコのようなもの、トリのようなものにヘビのようなものにサカナのようなもの、そしてなにかわからないけど魅力的な不思議なクリーチャーたちが、天井からいっぱい吊り下げられている。
 「六甲山にこんな生きものが生息していたら素敵だな」という作家の思いが伝わってきます。ビニールやら布やら、さすが素材に詳しいひびの作品。このまま雲のように軽々と空に浮かんで漂っていきそうです。
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 ケーブルカーの車内には『六甲の山の虫たち』という作品がびっしりと展示されている。これらは阪急百貨店うめだ本店で開催された「虫をつくるワークショップ」で参加者たちが作った想像上の虫だそうです。現実にはいない想像の産物とはいえ、昆虫独特のイガイガッとした感じや羽根のパサパサした様子が、とてもよくできていると思います。Photo_3
 六甲ケーブルは9月15・16日の台風による豪雨被害のため現在は運休になっていますが、このひびのこづえさんの作品は観ることができます。本来ならケーブルに乗車しないと観られないのに、今はホームに止まっている車内を誰でも見ることができる。山歩き派の私にとってはかえって好都合。ラッキー!

六甲ミーツ・アート 2013
2013年9月14日(土)~11月24日(日)

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