遠い記憶のトンネル
豊島の甲生(こう)地区の旧・集会所を舞台にした塩田千春の作品「遠い記憶」。島々から使われなくなった窓や障子などの木製建具を集め、トンネルにして建物に突き刺したアート作品です。3年前の第1回芸術祭のときに制作されたそうですが、建物の老朽化によって今年が公開最後の年になるそうです。本数の少ないバスに乗って足を延ばして大正解。予想よりはるかにオモシロイこの作品を観ることができて、ホントにラッキーでした。余談ですが、この作品の受付をされていたのが、昨年の越後妻有トリエンナーレである展示のキュレーターをされていた方。またどこかでお会いする機会があると思います。
トンネルの中を歩くとちょうど風の通り道となり、とても涼しくて気持ちいい。屋外では建具の桟の影が美しい模様を描いている。うす暗い屋内ではむこう側の緑をガラスに反映した美しい色あいの空気に包まれます。それぞれの建具に込められた「遠い記憶」。春も、夏も、秋も、冬も、晴れた日も雨の日も・・・楽しい時間、悲しい別れをいつもそばで見てきた窓。家族の記憶も地域の歴史も、すべてここに蓄積されているように感じる。静寂のなかに含まれた饒舌。まるで過去へのタイムトンネルのような感覚は、SF映画のシーンからの連想だけではないようです。
なおこの作品は、次回に向けて新たな記憶としてよみがえらせる計画が進行中、とのこと。期待しています。
アートをめぐる旅
瀬戸内交際芸術祭 2013
夏:7月20日(土)~9月1日(日)
秋:10月5日(土)~11月4日(月・祝)
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コメント
去年の夏は、アート動物園においでいただき、ありがとうございました。
そしてなぜか、瀬戸内でも!
2014年には東京のどまんなかで、東京下町アート動物園みたいのをやります。そのプレ・イベントとして都電荒川線の路面電車を借り切って、人間の代わりに動物作品で満員の車両を走らせようと思っています。荒川車庫から早稲田までの往復を運行しようと計画中。展示ギャラリーは数十年の歴史がある銀座の現代アートでは老舗のところで、最近さらに広い場所に引っ越したところ。
改装前はプロの写真スタジオだった場所で、天井の高さが6メートル近くもあるホワイトキューブだから、大胆なレイアウトが出来ると思います。。。笑
投稿: はるる | 2013年11月28日 (木) 21時58分
ブログを覗いていただいて、ありがとうございました。
東京下町アート動物園や路面電車ジャックの企画、とてもおもしろそうですね。スケジュールが決まりましたら教えてくださいね。
またいつかお会いできることを楽しみにしております。
投稿: ひろパパ→はるる様へ | 2013年11月30日 (土) 00時53分