奈良市 写真美術館
半世紀にわたり奈良大和路の風景、仏像、伝統行事を撮り続けた写真家・入江泰吉。その8万点にもおよぶ全作品が奈良市に寄贈されたのを機に平成4年に開館したのが、入江泰吉記念 奈良市写真美術館です。新薬師寺のとなり、志賀直哉の旧居にも近い高畑町に黒川紀章の設計で建設されたこの美術館は、まわりの景観に溶け込む瓦の大屋根にガラスの壁面、そして展示スペースを地下におさめた美しい建築で、閑静な環境にしっとりと調和している。
入江泰吉のお弟子さんだった会社の先輩から、建設当時のいろんな話をよく聞いていましたが、実際に行くのは今回が初めてです。
いまの展示は「写真集でたどる入江泰吉の軌跡ー前期(昭和20~45年)-」、6月30日(日)までの開催です。終戦直後から昭和45年にかけて刊行、出版された写真集と書籍に収録された作品から選んで展示されている。
古からずうーっと続く大和の詩情ゆたかで心休まる風景。思い切った構図で魂を吹き込まれ生き生きと動きだしそうな仏像。この二つの対比がとてもおもしろい。自然に接するときの静かさ穏やかさと、仏像に対するときの熱さ激しさ。入江さんの多様な人間性を表しているようで興味深かった。(私はお会いしたことがありませんが・・・)。こんど先輩に生身の入江さんの魅力について聞いてみたくなりました。
なお7月6日(土)から9月29日(日)までは、雨、霧、雪など情感に満ちた大和路風景にフォーカスした「ミスター・ウェット・イリエ」展が開催される予定です。
入江泰吉記念
奈良市 写真美術館
奈良市高畑町600-1
9:30-17:00 月曜日休館
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